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ZOT on the WAVE 〜KOWICHIやBAD HOP、¥ellow Bucksなどの楽曲を手掛けるトラップ・ミュージック・プロデューサー【特集】TRAP MAKERS LAB

ZOT on the WAVE 〜KOWICHIやBAD HOP、¥ellow Bucksなどの楽曲を手掛けるトラップ・ミュージック・プロデューサー【特集】TRAP MAKERS LAB

ビートは中毒性があってなんぼ
“一度聴いたら忘れられない”というようなインパクトを残したいですね

トラップ・ミュージックを中心に制作する国内ビート・メイカーたちに、音楽制作を始めたきっかけやこだわりを聞いていく「TRAP BEAT MAKERS」のコーナー。続いて登場するZOT on the WAVEは、宇都宮市出身のヒップホップ・プロデューサー/ビート・メイカー。2015年から川崎市に活動拠点を移し、KOWICHIやBAD HOP、¥ellow Bucks、OZworld a.k.a R’kumaなど数多くのトラップ・アーティストの楽曲を制作している。

Instagram@zot_selfmade

 RECENT WORK 

『DROP OUT』
OGF & ZOT on the WAVE
(OGF)

 ビート・メイキングを始めたきっかけ 

 本格的にビート・メイキングを始めたのは、23〜24歳くらいのとき。当時は宇都宮近辺を中心にR&Bシンガーとして活動していたのですが、たまたま歌のレコーディングでお世話になったスタジオの方からDAWを薦められたのがきっかけです。それからAPPLE Logic Proを購入し、現在はIMAGE-LINE FL Studioをメインに使っています。FL Studioに乗り換えたのは、好きなトラップのビート・メイカーがほぼ全員FL Studio使いだったからです。

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ZOT on the WAVE、DJ CHARI、DJ TATSUKIの3人でシェアしている制作スタジオ。メイン・マシンはWindows、DAWはIMAGE-LINE FL Studioだ。デスクの手前にはMIDIコントローラーのNEKTAR TECHNOLOGY SE49がスタンバイし、デスクの右手にはオーディオI/OのUNIVERSAL AUDIO Apollo Twin Xが設置されている。ボーカル録りもこのスタジオで行っているという

 尊敬するビート・メイカー/プロデューサー 

 アメリカのプロデューサー・デュオ、ザ・ビジネスです。彼らはクリス・ブラウン、ニッキー・ミナージュ、ドレイク、アッシャーなど複数の人気アーティストに楽曲提供しています。中でもワーレイの「Illest Bitch」(『Ambition』収録)は必聴。ギターを中心としたR&Bトラックですが、ビートのグルーブ感やシンセ・リードのメロディ・ラインが最高です。

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モニター・スピーカーはYAMAHA HS5を装備。フラットな音がするのだそう

 TR-808系キック・ベースのこだわり 

 サンプルをめちゃくちゃ集めていて、それらをFL Studioのチャンネルに標準搭載されているサンプラー=Channel Samplerにアサインして使っています。サンプルのレイヤーなどはしていなくて、いかに良い音のサンプルを見つけるかにこだわっていますね。よって、キックとベースのサンプルに関してはEQ処理などはせず、そのままの音を出すようにしているんです。基本的にエフェクトもかけませんが、音質を変えるためにサチュレーターを使うことはあります。プラグインは、FL Studio付属のものを中心に使用していますね。

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ZOT on the WAVEがメインで使用しているというUSBオーディオI/O、FOCUSRITE Scarlett Solo G2

 上モノのこだわり 

 近年、自分は主にビートを作っているので、上モノは後輩のビート・メイカーdubby bunnyが担当しています。自分で上モノを作る場合、LUXONIX Purityというマルチソフト音源が“良い意味”でチープな音がするので好きです。Lil'Yukichiが使っていたのがきっかけで知りました。そのほかでは、ソフト・シンセ/サンプラーのUVI Falconなども使います。上モノには、FL Studio付属のリバーブやディレイをよく用います。性能が良いので、サード・パーティ製のプラグイン無しでも事足りるんです。

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マルチソフト音源のLUXONIX Purity

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ZOT on the WAVEとの共作者で知られるビート・メイカー/ギタリストのdubby bunny

 ビート・メイキングのコツ 

 グルーブを大事に。ビートを聴いていかに踊れたり、頭を振ったりできるか、ということしか考えていないです。なので、作業中はよく頭を振りながら作っています。特にドラムやベースのリズム隊に関しては重要です。もう一つ、ビートは中毒性があってなんぼだということ。“一度聴いたら忘れられない”というようなインパクトを残したいですね。

 ビート・メイカーとして大切なこと 

 何よりも、バイブスを曲に込めることが大切。それが音に現れ、リスナーに伝わるからです。音を聴くと、大体作り手のバイブスが分かるんですよ。それで自分はコライトしたいかどうかを決めます。技術があるだけでは、トラップは無理です。

 今後の展望 

 新レーベル“Self Made”を立ち上げたので、若いアーティストを国内外に発信していきたいです。現在、川崎にSelf Madeのスタジオを作っているので、完成が楽しみですね。

 

【特集】TRAP MAKERS LAB