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JBL PROFESSIONAL 305P MKII 〜【ペアで約5万円以下】宅録/DTMに最適なモニター・スピーカー9モデルをレビュー

JBL PROFESSIONAL 305P MKII 〜【ペアで約5万円以下】宅録/DTMに最適なモニター・スピーカー9モデルをレビュー

宅録やDTMに最適なペアで約5万円以下のモニター・スピーカー全9モデルを、音楽クリエイター/ギタリストのShin SakiuraとエンジニアのSUI氏が徹底レビュー! ここでは、JBL PROFESSIONAL 305P MKIIを紹介します。

バスレフ・ポートで伸びやかな低域を再生。部屋の形や大きさの影響を受けにくい構造

JBL PROFESSIONAL 305P MKII フロント
JBL PROFESSIONAL 305P MKII リア
JBL PROFESSIONAL 305P MKII|製品価格:オープン・プライス(市場予想価格:37,600 円前後/ペア)

 41W出力のクラスDパワー・アンプを2基搭載。同ブランドの最上位機=M2のために開発されたウェーブガイド(ツィーター部分に取り付ける部品)により、広い範囲で正確なモニタリングが可能になるという。スピーカーの周囲72箇所にわたって直接音や反射音、残響音などを測定し、そのデータを元にコンポーネントを設計することで、音が部屋の形状や容積に左右されにくいようになっているのも特徴だ。背面のバスレフ・ポートは開口部に丸みを持たせることで乱流を抑え、伸びやかで深みのある低域を生み出せるそう。

  • ウーファー口径:5インチ
  • 入力端子:XLR、TRSフォーン
  • その他:最上位機と同じウェーブガイドで広いステレオ音場を再現

SPECIFICATIONS
●形式:2ウェイ・アクティブ・スピーカー ●スピーカー構成:5インチ径ウーファー+1インチ径ツィーター ●周波数特性:43Hz~24kHz(-10dB)、49Hz~20kHz(±3dB) ●外形寸法:186(W)×298(H)×242(D)mm ●重量:4.7kg/1台

レンジが広く低域はもっちり。定位が正確に分かるのも特徴 〜Shin Sakiura

 実は、僕が初めて購入したモニター・スピーカーは、305P MKIIの初期モデルである305Pだったんです。確か、友達が使っていて良い音がすると思ったので導入した記憶がありますね。305P MKIIは適度にもっちりとした低域が特徴で、ローエンドもよく見えます。一方の中〜高域はクリアで、ライド・シンバルのシャリシャリした帯域までよく聴こえました。つまり上下のレンジは広いです。

 VOLUMEノブで305P MKIIの音量を変化させてみたところ、適度なゲイン感を得られました。この“適度なゲイン感”というのは、“派手なサウンド”と“地味なサウンド”の中間にある感じ。なので、僕としてはちょうど良い。楽しくビート・メイキングができるし、冷静にミックスもできる、そんなイメージです。定位感についても素晴らしく、大胆にパンニングされた楽器の位置も正確に分かります。価格はペアで3万円しないので、これからDTMを始める人にとっても導入しやすいモニター・スピーカーだと言えるでしょう。好みは人それぞれですが、光沢のあるフロント・パネルのデザインは見ていてテンションが上がります! 

聴き疲れしないマイルドな音。低域の様子がしっかり分かる 〜SUI

 305P MKIIの第一印象は“まろやか”な音。ずっと聴いていても耳が疲れにくく、ハイファイすぎない感じが良いです。必要な帯域はしっかり聴こえるので、作業に十分活用できるでしょう。中域はフラットで、普段自分が使用しているモニター環境とさほど変わらない印象です。そして、低域は程よく引き締まっている感じ。無駄にドーンと出ていなくて、それが今っぽいなと思いました。ブーミーじゃないけれど、キックのピッチやリリースがしっかり分かる。つまり、低域の処理が行いやすいスピーカーだと言えますね。

 奥行き感や定位感も見やすく、音像を正確にモニターできるので、きちんとしたリスニング・ポイントで聴くことをお勧めします。スタジオではなく自宅に設置して使用することを考えると、この305P MKIIは大音量を出さなくてもバランス良く鳴るため、宅録ユーザーにも向いているでしょう。リア・パネルには、それぞれ3段階で切り替え可能な高域/低域用のシェルフEQを装備していますが、難しい操作は全くないので、ビギナーでも簡単に扱える、コスト・パフォーマンスに優れたスピーカーだと思います。

レビュワー紹介

Shin Sakiura

Shin Sakiura
東京を拠点に活動する音楽クリエイター/プロデューサー/ギタリスト。2015年より個人名義でオリジナル楽曲の制作を開始。バンド・サウンドからヒップホップ、R&B、エレクトロまで広い音楽性を持ち、自身の作品制作のほか、SIRUPやアイナ・ジ・エンドなどの楽曲制作や海外アーティストとのコラボと活動は多方面にわたる。ギター、ベース、サンプラーなどさまざまな楽器を駆使したライブ・パフォーマンスも注目を集めている。

 Recent Work 

『WILD CHILD feat. brb.』
Shin Sakiura
(PARK)


SUI

SUI
エンジニアのほか、リミックス・ワークも手掛ける音楽クリエイターとしても活動。ギターやベースなどの演奏からプログラミングまでを一人でこなすマルチプレイヤーでもあり、その柔軟なプロダクション・スタイルはメジャー/インディーズ問わず定評がある。近年では作曲家として劇伴音楽にも携わり、ますますその活動の場を広げている。セミナー講師としては自身の技術を惜しみなく講義することも多く、業界内での信頼も厚い。

 Recent Work 

『WATW “ing”』(『Honey, You!』収録)
WATWING
(トイズファクトリー)
※作編曲/エンジニアリング

試聴環境

 今回試聴を行った場所は、多目的スペースである御茶ノ水RITTOR BASEだ。スタジオ内には、一般的な部屋を想定して6畳ほどの空間を用意。そこに簡易デスクとスピーカー・スタンドを設け、モニター・スピーカーを配置した。ここで2人のレビュワーに、リファレンスとなる楽曲を再生したりDAWを立ち上げて作業したりして、全9モデルのスピーカーの性能をチェックしていただいた。

御茶ノ水RITTOR BASE内に作られた、6畳ほどの試聴スペース。L/Rのスピーカーとリスニング・ポジションが正三角形になるように配置している。スピーカーはやや内側に向け、ツィーターは耳の高さになるようスピーカーごとに座椅子の高さを調整する

御茶ノ水RITTOR BASE内に作られた、6畳ほどの試聴スペース。L/Rのスピーカーとリスニング・ポジションが正三角形になるように配置している。スピーカーはやや内側に向け、ツィーターは耳の高さになるようスピーカーごとに座椅子の高さを調整する

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