この特集では、ビギナーでも作曲や演奏に取り入れやすい25パターンのコード進行と、その理解に必要なポイント解説を4ステップで紹介! 各ステップは、コード進行の知識を深める“解説編”と、実際のコード進行やアレンジ・テクニックによる“実践編”で展開します。Step 4の解説編では、音の積み重ね方をさらに変化させたコードを取り入れる方法を紹介します。
曲作りの幅が広がる初心者にお薦めの4種類のコード
まずはメジャー・コードの2音目または3音目を半音上げるだけでOKな2種類のコードです。
1. 浮遊感がある響きのサスフォー・コード(例:Csus4)
■ルートから2音目までの距離:半音5個
■ルートから3音目までの距離:半音7個
■コード名:ルート音の英語名+sus4
■雰囲気:不安定で浮遊感がある
“サスフォー”は“サスペンデッド4th(フォース)”の略。Cのミが半音上がってファになるとCsus4となるように、メジャー・コードの2音目を半音サスペンド、つまり吊り上げることで、浮遊感のある響きが得られます。使い方は、Csus4→Cなど、sus4からルートが同じサス無しのコードに進む場合が多いです。
2. 明るいけれど緊張感があるオーギュメント・コード(例:Caug)
■ルートから2音目までの距離:半音4個
■ルートから3音目までの距離:半音8個
■コード名:ルート音の英語名+aug
■雰囲気:明るいが緊張感がある
オーギュメント・コードは、メジャー・コードの3音目を半音上げたもの。Cであれば、3音目のソがソ♯に変化することでCaugとなります。オーギュメント・コードは明るさがありつつも不安定で、緊張感のある響きを持っています。なお、マイナー・コードがオーギュメントへと変化することはありません。
続いて、3音目までは共通で4つ目の音が半音違いとなる2種類のコードを紹介します。
3. 4つの音が規則正しく並ぶディミニッシュ・セブンス・コード(例:Cdim7)
■ルートから2音目までの距離:半音3個
■ルートから3音目までの距離:半音6個
■ルートから4音目までの距離:半音9個
■コード名:ルート音の英語名+dim7
■雰囲気:繊細でスリリング
メジャー・コードの2、3音目を半音下げ、ルートから半音9個分の音を足したコードです。それぞれの音は半音3個分ずつ離れて規則正しく並びます。3音目まではStep 1 の解説編で紹介したマイナー・フラット・ファイブ・コードと同じです。特徴としては、ちょっと変わったスリリングな響きを持っています。
4. 切ない響きのマイナー・セブンス・フラット・ファイブ・コード(例:Cm7(♭5))
■ルートから2音目までの距離:半音3個
■ルートから3音目までの距離:半音6個
■ルートから4音目までの距離:半音10個
■コード名:ルート音の英語名+小文字のm+7(♭5)
■ 雰囲気:切ない
マイナー・セブンス・フラット・ファイブは、3.でも触れたマイナー・フラット・ファイブ・コードに、ルートから半音10個分の音を足したコードです。切ない響きが特徴で、ドミナントのセブンス・コードや、ディミニッシュ・コードの直前に置いて使うことで、進行に彩りを添えることができます。
Step 4のまとめ
■音を積み重ねる間隔が変わるとさまざまな響きに変化
■各Stepを組み合わせてオリジナルの進行作りに挑戦してみよう
Step 4の実践編では、オリジナルの進行作りのヒントになるような5個のパターンを作曲家のKOUGA氏が解説します。