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代理コードで実践的なパターンに〜初心者のための簡単コード進行

代理コードを活用した6パターン〜初心者のための簡単コード進行|Step 2【実践編】

この特集では、ビギナーでも作曲や演奏に取り入れやすい25パターンのコード進行と、その理解に必要なポイント解説を4ステップで紹介! 各ステップは、コード進行の知識を深める“解説編”と、実際のコード進行やアレンジ・テクニックによる“実践編”で展開します。Step 2の実践編では、代理コードなどを使った6パターンを、引き続き作曲家のKOUGA氏に解説いただきます。

Step 2の解説編では以下で紹介するコード進行の理解を深めるためのヒントを掲載! ビギナーの方はぜひこちらもご参照ください。

 各コード進行には、音例とMIDIデータが用意されています。音例には、全音符で演奏したエレクトリック・ピアノ・バージョンと、各進行にお薦めの楽器で演奏したアレンジ済みバージョンの2種類を用意。また、すべてのパターンの全音符バージョンとアレンジ・バージョンのMIDIデータもダウンロード可能です。好きな音色をアサインして活用してみてください。

パターン 1「C|Bm(♭5)|Am|G」〜キャッチーでありつつも切ない成分をプラス

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 ドミナントのGをBm(♭5)に置き換えることで、キャッチーでありつつも切ない成分を加えてひとひねりすることができます。明るい中にも切ないものがある感じのバラードのAメロ頭などに良いでしょう。代理せずGのままだとただ明るいだけのコード進行になってしまうので、暗いコード進行ではなく、基本的には明るいけれどもちょっと切なさを足したような楽曲にしたい場合にお薦めです。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:素朴なオルガン音色でクラシカルなバラード風アレンジ

 Step 1のパターン 8とはまた違った素朴な雰囲気のオルガン音色でバラード風にアレンジしました。シンプルなバッキング・パターンの影響もあり、そこはかとなくクラシカルな雰囲気も漂っています。ルートが「ド→シ→ラ→ソ」と下がっていくのも分かりやすいでしょう。

パターン 2「C|G|Am|G」〜王道な要素を持ったまま循環しやすく変化

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 代理コードとは少し趣向が異なるのですが、カノン進行の「C-G-Am-Em」の最後のコードを循環させやすいGに置き換えた進行です。イントロでこの進行を循環した後に、Aメロで「パターン 1:C|Bm(♭5)|Am|G」へとつなぐことで、ストーリー性を出すことができます。カノン進行の王道な要素を残したままCに戻って循環できるというのは強みになりますね。バラードのイントロなどで使いやすいでしょう。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:弾き語りバラード風のアコギ・アレンジ

 ストローク演奏をイメージしたアコースティック・ギター音色のアレンジ例です。弾き語りによるバラードという趣で、この先にまだ何かが待っていそうなAメロ感が伝わってくるのではないでしょうか。Bメロやサビでググっと盛り上げたくなりますね。

パターン 3「Am|Em|Dm|G」〜マイナー・コードの多用で循環の最後を切なく締める

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 これは、「Step 1のパターン 7: C|Em|Dm|G」のCをAmに代理した進行です。マイナー・コードが多い進行なので、Step 1のパターン 7を循環したセクションの最後に、1回だけこの進行を入れるポイント使いによって、セクションの最後だけ切ない雰囲気を醸し出すことができます。コード進行の応用の仕方が分からず単調な曲になってしまったときにエッセンスとして使うと、少し上級者らしさを出すことができると思います。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:美しいクリーン・トーン系エレキによるバラード

 軽くつま弾くようなニュアンスのエレキギター音色による演奏です。クリーン・トーンにコーラスもかけてバラード感を演出しました。ほの暗い雰囲気のコード進行に奇麗系のサウンドを合わせると、悲しみの中にも希望が見えるような雰囲気になります。

パターン 4「F|Am|Em|G」〜少し複雑な展開をさせたいときのカギになる

Feeling Tags: #暗い   #複雑   #ほっこり   #しっとり   #急展開   #壮大 

 3小節目をCにするとシンプルな進行ですが、そのCをEmに置き換えると少し複雑な響きになるので、思い通りに行かないけれども心地良い、という王道から少し外した展開を作りたいときにお薦めです。シンプルな進行から複雑な進行へと急展開させるとどうしても違和感が出ますが、このように最初から少し複雑な進行を選択することで、次に続く進行のバリエーションを広げやすくなります。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:共通する音をつなげたストリングス・アレンジ

 ストリングス音色でりんとした雰囲気を出してみました。MIDIデータを見ると、FとAmは共通するドを、EmとGはやはり共通するシを一番上とオクターブ下で鳴らし続けているのが分かると思います。このように共通する音をつなげるのもアレンジ技の一つです。

パターン 5「Em|Am|Dm|G」〜予想外の展開を繰り広げるアニソンなどにお薦め

Feeling Tags: #暗い   #複雑   #急展開 

 「Step 2のパターン 4:F|Am|Em|G」と同様に、トニックのCをEmに置き換えた進行です。マイナー・コードのEmから始まることで、パターン 4よりも暗めな表現ができ、シーンを転換させる際にポイント使いをすると進行にストーリー性を持たせることができます。例えばアニメ・ソングのように歌詞自体に物語があり、ちょっとつかめないような予想外の進行が繰り広げられる曲を作りたいときに役立つ進行でしょう。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:暗さを助長するエフェクティブなベル・サウンド

 ディレイで左右に飛ばしたシンセ・ベル音色で演奏しました。やや不穏な感じもしますね。このように低い音と高い音を交互に鳴らすアレンジは超定番ですが、高い音は2音に限定してすっきり聴かせることで、ベル・サウンドの響きが濁らないようにしています。

パターン 6「Em|F|Am|G」〜根が明るいのに一筋縄では行かない雰囲気を出す

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 「Step 1のパターン 5:C|F|Am|G」のCをEmに置き換えた進行ですが、最初のコードがマイナーなのでFからAmの力強さが少しネガティブな雰囲気になります。ただ、EmからFに進むため同じEm始まりのStep 2のパターン 5よりは明るいです。ループすると永遠にCに行かないので、根は明るいけれども解決しそうで解決しない、引っかかるような感じがあり、一筋縄では行かない雰囲気のイントロ作りなどにお薦めです。

 ピアノロール 

 五線譜 

 コード・ダイアグラム 

アレンジ・テクニック:イントロで使うなら音色もインパクト系の選択を

 くぐもったような雰囲気のオルガン系サウンドを使用しました。クセのあるコード進行を、クセのある音色で表現したということになります。左ページでも触れたように、イントロで使うならこれくらいインパクトは強めにしたほうが印象に残るでしょう。

 

 

講師/アレンジ音例制作:KOUGA
【Profile】音楽大学で培った確かな知識のもと、繊細で巧みな音使いで瞬く間に本格的に作曲家の道へと進み始める。キャッチーなメロディメイクとアレンジに定評があり、確かな知識・センスを兼ね備えた新進気鋭のクリエイター。

【特集】初心者のための簡単コード進行