【特集】私の愛するヘッドホン2024〜Ryosuke "Dr.R" Sakaiの仕事のスピードを格段に上げたULTRASONE Edition 15

Ryosuke "Dr.R" Sakai

 現代の音楽制作に欠かせないツールとなったヘッドホン/イヤホン。「制作の大半をヘッドホンでこなす」と言うクリエイターやエンジニアが増えており、それに呼応するように各メーカーからも魅力的な製品が登場している。プロデューサー/エンジニアとして多方面で活躍するRyosuke "Dr.R" Sakaiは、無類のヘッドホン好きであり、さまざまなモデルを使い分けている。彼が1年前から愛用しているULTRASONE Edition 15を紹介しよう。

ULTRASONE Edition 15

ULTRASONE Edition 15

 ULTRASONEの開放型ヘッドホンのフラッグシップ・モデル。チタンとゴールドという素材性能を引き出したハイブリッド・ドライバーを搭載。独自技術S-Logic PLUSがスピーカーで聴くような定位感をもたらす。 

【SPECIFICATION】
●型式:オープン・ダイナミック型 ●周波数特性:5Hz~48kHz ●インピーダンス:40Ω ●ドライバー径:40mm ●重量:336g(ケーブル含まず)

どの機種よりもミックスがシビアに表現される

 自分にとってヘッドホンのスタンダードと言えるのがAUDEZE LCD-Xの音です。でも、常に良いものを探していて、Edition 15を聴いたときの音の粒立ちや分離感がすごくて、本当に音が見える感じがするなと。LCD-Xのナチュラルさとは違うベクトルの解像度にほれて、使うようになりました。Edition 15で良いミックスをした音源を聴くと、すごく音像が広い。それがデモ途中のものになると、明らかにデコボコしていたり、リバーブのかかり具合や全体の音像の狭さが、どの機種よりもシビアに表現されます。

AUDEZE LCD-X

Sakaiが自身のスタンダードと評するAUDEZE LCD-X。こちらは自宅で使うことが多く、Edition 15は主にスタジオで使用するとのこと

 僕の制作は基本的にスピーカーで楽しくやって、次にヘッドホンで追い込み、スピーカーに戻ってという感じです。ヘッドホンは常に3~4本を挿しておき“これだとこうか”と聴き比べながら調整をします。やっぱりどのシステムやヘッドホンで聴いても“ど真ん中の音”を作ることが欠かせません。ピークをつぶしていくときにいろんな再生デバイスの特徴から見える部分が大事なんです。

 Edition 15の役割はEQのすみ分けなどの細かい調整ですね。耳に分かりやすく反応してくれるので、めちゃくちゃ仕事が早くなりました。Edition 15のバキバキに見える感じは好みも分かれますが、やっぱり良いですよ。だまされたと思って試して欲しいですね。たぶん、制作が楽しくなっちゃいますよ(笑)。

Sakaiのヘッドホン・コレクションの一部

Sakaiのヘッドホン・コレクションの一部。上段左から、AIAIAI TMA-2 Places+Faces Edition、TMA-2 HD Wireless、AKG K271 MKII、中段がAKG K701、BOWERS & WILKINS P7 Wireless、FOCAL Listen Pro、下段がSENNHEISER HD 650、SONY MDR-CD900ST、WH-10 00XM3

Ryosuke "Dr.R" Sakai

Ryosuke "Dr.R" Sakai
ちゃんみな、milet、AK-69、Ms.OOJA、UVERworld、東方神起、SKY-HI、BE:FIRSTなど、数多くのアーティストを手掛ける音楽プロデューサー/トラック・メイカー/エンジニア。2021年からはDr.Ryo名義でアーティスト活動をスタートさせた。レーベルMNNF RCRDSの主宰者でもある。

Recent Work

『2:BE
BE:FIRST

(B-ME)

 

製品情報

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