サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではBEYERDYNAMIC TG V70を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
BEYERDYNAMIC TG V70
■形式:ダイナミック ■指向性:ハイパーカーディオイド ■周波数特性:25Hz~18kHz ■感度:3.2mV/Pa(-50dBV)±2.5dB ■インピーダンス:280Ω ■外形寸法:54(φ)×185(H)mm ■重量:345g ※オン/オフ・スイッチ付きのTG V70 Sもあり
音の立ち上がりが速い。場所を問わずオールマイティに対応
BEYERDYNAMIC TG V70は、ドイツの老舗ブランドがリリースするダイナミック・マイク、TGシリーズの上位モデル。シンプルながら頑丈さも備えるデザインは、ステージに最適化されているとのこと。オン/オフ・スイッチ付きのTG V70 Sもラインナップする。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
cody 音の立ち上がりが速く、一言目からパっと言葉が聴こえてきました。歌の細かなニュアンスまで出しやすいと思います。“こういう感じで歌いたい”と考えていることを形にしてくれる。シンプルなデザインに自信を感じます。
スージー 実はTG V70は、私が普段から愛用しているマイクなんです。自然かつ特徴をしっかり出してくれて、曲調や展開を問わず安定して歌えるという理由で選びました。今回のテストで意識して歌っても、そのイメージは変わらなかったです。codyの歌でも同じで、声質を問わないなと。マイクによってライブ・ハウスに合う、合わないという問題もなく、どこの会場でも対応してくれそうです。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
ライブに来るお客さんは皆さん音圧を浴びたいと思うので、レスポンスが速く、歌ってすぐに音圧を感じられるのが良いです。しかもcodyさんが言うようにニュアンスも聴かせられる。ゲインをそれほど上げなくてもお二人のパワーが出ていたので、ライブをより魅力的に見せられるマイクです。
過去にハイトーンを得意とするボーカリストが、高域が強めのマイクを持ち込んだことがありました。もちろん合っていなかったし、結果的にほかの帯域もバランスが悪くなったんです。このマイクならその心配はないでしょうね。ボーカリストそれぞれの得意なところを奇麗に聴かせてくれるようになっていると思います。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。