マイクやプリアンプ、オーディオI/O、スピーカー、プラグインなど、音楽制作で必要となってくる機材はさまざまです。多くのメーカーがしのぎを削って新たなモデルを開発し、毎年多彩な音楽制作機器/ソフトウェアが登場しています。そのたびにクリエイターたちは物欲と闘い、自身の環境や予算を考慮しながら頭を悩ませるのです。特にステイ・ホームという言葉が定着した現在では、自宅の制作環境を整えようと考えている人も多いことでしょう。この企画では、19名のアーティスト/クリエイター/エンジニアに、今すぐ導入しやすい価格帯で欲しい機材、読者にお薦めしたい機材を聞いてみました。プロはどんな製品に注目してどのようなところに魅力を感じているのでしょうか?
JQ(Nulbarich)
[Profile]シンガー・ソングライター。ソウルやファンク、アシッド・ジャズなど、多彩な音楽性を持つバンド=Nulbarichのリーダーを務める。7月にデジタル・シングル『LUCK』をリリースした。
[Recent Work]
TOWNSEND LABS Sphere L22
オープン・プライス(市場予想価格:157,000円前後)
今年からはポータブルでのセットが制作の主軸になりそうだなと感じていたので、UNIVERSAL AUDIO Apollo X4と同時に思い切って買ってみました。モデリング元の実機と全く同じとまではいかなくても、キャラクターはしっかりと押さえられていて、予想以上のサウンドです。僕は作る曲によって方向性がかなり違うこともあるので、曲や使っている音色によってオケなじみの良いマイクが毎回変わるというのが悩みでした。でもSphere L22を使えば、まずクリアに録っておいて、後からオケに合わせてキャラクターを切り替えられます。曲の内容が変わったとしても録り直さずに対応できるというのは大きいポイントです。僕の場合はポータブルな制作用マイクとして使っていますが、テイクによっては本チャンで使っている場合もありますね。プリプロからSphere L22を活用すれば、音の選択肢がかなり広がると思っています。
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井上幹(WONK)
[Profile]WONKのベーシスト/エンジニア。同バンドではときに作曲/編曲も手掛ける。ほかのアーティストのミキシングにも携わり、ゲーム・サウンド・デザイナーとしても活躍している。
[Recent Work]
AUDIO EASE Altiverb 7 XL
オープン・プライス(市場予想価格:105,000円前後)
コンボリューション・リバーブの最高峰と名高いAltiverbですが、価格がちょっとお高いためいつも購入に踏み切れていません。新型コロナ・ウィルスの影響でさまざまなロケーションでのレコーディングが難しくなり、制限もありますが、例えばバーチャルな空間を作り出し、宅録だけでリアルなライブ風音源を制作するということは面白いと思います。そのバーチャルな音場を再現するためにAltiverbを使ってみたいです。
MONJOE(DATS)
[Profile]個性的なロック・サウンドを展開する4人組バンド=DATSで作曲/ボーカル/シンセを担当。R&Bからダンス・ミュージック、インディー・ロックまで幅広い楽曲センスを併せ持つ。
[Recent Work]
WAVES Ovox Vocal Resynthesis
13,100円
ボン・イヴェールの『22、ア・ミリオン』がリリースされて以降、多くのプロデューサーたちがそのボコーダー・サウンドの作り方を研究するようになりました。そして最近のポップスのプロダクションにおいても、声そのものを楽器ととらえるトラック作りが主流になりつつあります。OVoxでは簡単に多様なボイス・エフェクトをコントロールすることができるようですし、プロデューサーとして時代に追いつく、そして作曲手法の幅を広げるという意味でも導入してみたいです。
Masayoshi Iimori
[Profile]EDMやトラップを中心に制作するプロデューサー/DJ。スクリレックスやディプロ、メジャー・レイザー、DJスネイクなど世界の著名プロデューサーからサポートを受けている。
[Recent Work]
SOFTUBE Console 1
オープン・プライス(市場予想価格:55,000円前後)
新型コロナ・ウィルスによる外出自粛期間中はもちろん家にずっといて、より良い制作環境を求めてついいろいろな機材を買ってしまいました。その中でもConsole 1が非常に便利で、もう手放せません。僕はABLETON Liveを使用していますが、DAWと完全に同期し、コントロールできるのが高得点です。一画面の中にスッキリと収まるように作られているLiveは操作性に優れていますが、Console 1も使用すればEQやコンプに加え、ボリュームやパン、ミュート、ソロなどもConsole 1上から調節できるようになり、いちいちトラックを選択&展開して……という手間が一気に省けるようになりました。現在はABLETON Push 2と合わせて使っているのですが、大まかなリズムとベースの土台を作るスピードが格段に上がっています。初心者からベテランまで、僕のように曲が作るのが遅い方、めんどくさがりな方にもお薦めです。
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