ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回登場していただくのは、モジュラー・シンセサイザーの使い手として知られるアーティスト=HATAKEN。プライベート・スタジオを訪れ、製品の活用法や魅力に迫った。
Photo:Hiroki Obara(except*)
ケーブルの存在を感じさせない音
かねてからACOUSTIC REVIVEのことを知っていたというHATAKENだが、ケーブルには無頓着だったそう。こだわるきっかけとなったのはパワード・モニターATC SCM25A Proの導入だ。「信頼しているグレッグ・ハンターからの薦めもあり、最高のスピーカーを手に入れるんだなという気持ちで、オーディオI/OもRME ADI-2 Proに新調したんです。そのときふとスピーカー・ケーブルが目に入り、適当なものを使っていてよいのだろうか?……と。後日、懇意にしている楽器店から数種類のスピーカー・ケーブルを貸してもらい、ケーブルで音が大きく変わることを認識しました」
試した中からACOUSTIC REVIVEのスピーカー・ケーブルを選ぶに至ったHATAKEN。「それまでに使ってきたものとは世界が違ったんです」と続ける。
「単に“音が良くなった”とかじゃなくて“オーディオI/Oとスピーカーの間に何も無くて直接つながっている”といった感じがして。ありのままの音とは、こういうものなのかな?と思ったんです。ATCを手に入れた時点でモニターの音質が格段に向上したと思っていましたが、それ以上の次元があることに気付いたんですよ」
低音の仕込みなども確信を持って行える
程無くしてスタジオの要所にACOUSTIC REVIVEの製品を導入。最初に効果を発揮したのは、壁コンセントに取り付けることで壁や電極の共振を制し、電源の質を向上させるという2017S航空レベル・アルミ合金+黄銅仕様のコンセント・ベース=CB-1DBだ。
「こんなにも変わるのか!と驚きました。モニター音の分離が良くなり、生き生きとした感じになったんです。電源の改善って意外に盲点だと思うんですが、まずはそこから手を入れるといいような気がしますね。コンセント・ベースに続いては、各機材の電源タップや電源ケーブル、ライン・ケーブル、I/OのUSBケーブルなどもACOUSTIC REVIVEに替えていき、違いを実感しました。面白いことに、あるところまでは音のパワー感や抜けが分かりやすく向上していくのですが、そこを超えると落ち着いてくる。初めは物足りない気もしたけれど、しばらくして“これがモジュラー本来の音なんだな”と腑に落ちました。オシレーターの倍音や低音がきちんと見えるし、パラメーターのコントロールとかコンプレッションの具合なども精細に再現されるからです。だから低域が聴こえづらくてつい上げ過ぎてしまったり、知らず知らずのうちにオーバー・コンプになっているようなことが無い。以前は、ライブの現場で思いのほか低音が強く出てしまうこともありましたが、今は確信を持って“このくらいが適正”という仕込みが行えるようになりました」
HATAKENは、PAシステムでの鳴り方を自身のスタジオでシミュレートすべく、TAGUCHIの3ウェイ・モニター+サブウーファー(いずれもパッシブ)を使用している。
「これらのスピーカー・ケーブルもACOUSTIC REVIVEのものにリプレースしました。アンプのボリュームを変えたわけでもないのに音量がアップし、解像度も上がりましたね。だから、気付けば結構な小音量で作業していることもある……それでも判断できるからなんですよ」
そしてHATAKENならではなのは、特注のモジュラー用パッチ・ケーブル。「まだ数本しか持っていませんが、やはり音が生き生きとして飛び出してくるような印象です」と言う。
「ACOUSTIC REVIVEの製品を使うと音のエネルギーを十分に引き出せるので、何かを過剰に足したりすることなく、本当の意味で抜けの良い音を作れると思うんです。だから“エフェクトを使わずにモジュール自体の良さを突き詰めてみようかな”というふうに楽器への接し方も変わってくる。作りたい音を追求するには、追求できるだけの環境が必要ですよね。それは“耳を鍛えること”とは別の話だと、ACOUSTIC REVIVEを活用し始めてから実感しています」
HATAKEN
<BIO>1990年代よりシンセサイザー奏者として活動。2013年からは東京モジュラーフェスティバル(TFoM)をデイブ・スキッパーとともに毎年開催。世界中のモジュラー・シンセ・メーカーやアーティストを招き、国内におけるモジュラー・シンセの普及に努めている。
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