ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今月のヘビー・ユーザーはstarRo。ジャズやR&Bを現代的な解釈とエレクトロニクスで昇華し、2016年にはグラミー賞にノミネートされた才人だ。彼の新たなプライベート・スタジオを訪ねよう。
Photo:Hiroki Obara
ロスを抑えてピュアに伝えることの重要性
新型コロナ・ウィルスの蔓延を機に、解放的な環境を求めて都心から居を移したstarRo。パンデミックによりさまざまな気付きがあったというが、一番は“一次情報の威力”だったそう。「ライブやDJを含め“現場”と呼ばれるものが激減し、多くの人がこれまで以上にインターネットを頼るようになったと思います。真実が何かという認識さえもネットで賄い始めている気がするんですが、そこでつかめるのはあくまで二次情報だと考えていて」とstarRoは語る。
「つまり、自分がこの目で見たもの、聴いたもの、体験したことではなく、何らかの媒体を介した情報の享受だったりする。音楽について考えてみると、もともとは人が輪になって歌って踊ってというフィジカルなところから来ているので、本来的に作者とリスナーが直接つながっている状態こそ一番だと思うんです。それはやっぱりライブの場でしか成し得ないでしょうし、ミュージシャンの持つバイブを直接キャッチすることのピュアさや威力に再び目を向け始めると、ストリーミングの再生回数とかInstagramのインフルエンサーとかに置いていた価値観が変わってくるんじゃないかと。そうなったときに、僕らミュージシャンにとっては自分自身をさらけ出せるかどうか、そして、さらけ出したものをいかにピュアに届けるかということが大事になってくると思います。何かを伝達するときには、バイブなりエネルギーなりのロスが付きものだとは思いつつも、できるだけそれを小さくすること。ノイズの少ない状態で伝えられるようにすることです」
ロスやノイズを排して、ミュージシャンの作った音楽をありのまま伝えようというACOUSTIC REVIVEに通ずる考えだ。
「まさしく。だからこそ共感しているし、代表の石黒謙、さんとは音に対する考え方など非常に深い部分まで話せるんです」とstarRo。もともとはインターネット・ラジオ局dublabの番組へ出演した際に、現場で使用されていた製品からACOUSTIC REVIVEを知ったそう。
「音楽をかけてみたら、ものすごく音が良くて。それでプロデューサーの原雅明さんにACOUSTIC REVIVEのことを教えてもらい、まずはAPPLE Mac Pro用の電源ケーブルとスピーカー・ケーブルを導入したんです。それだけでいきなり音が良くなって、もう衝撃的過ぎました。簡単に言うと、以前はややこもって聴こえていたんですね。あと、そのころは縦長の部屋に住んでいて、後方に行くと聴こえ方がまるで変わっていましたが、導入後は音像そのものが後ろの方まで伸びるようになった。すごくはっきりと分かりましたね。今はイン・ザ・ボックスで制作する人も多いでしょうが、まずはパソコンの電源ケーブルとスピーカー・ケーブルだけでもACOUSTIC REVIVEに替えてみると、コスト・パフォーマンスの高いアップデートが得られると思います」
音楽に込もった作り手の人間性まで見える
現在はコンセント・ベースや電源ボックス、電源コンディショナー、クォーツ・アンダー・ボード、ライン/マイク・ケーブル、スピーカー・スタンド、アコースティック・コンディショナーなども愛用しているstarRo。「僕は自らミキシングも行うので、この環境でモニタリングしているということ自体が仕上がりに良い影響を与えているのだと思います」と語る。
「原音を正確に再現するだけのものは、ほかのメーカーにもあると思うんですよ。でもACOUSTIC REVIVEの製品は、作っているときに気持ち良いと感じさせてくれる。それは、こと音楽制作においては、ピュアに再現すること以上に重要です。そしてACOUSTIC REVIVEを使ったときの音からは、一次情報が内包するもの……作った人が、作ったときに発したものまではっきりと分かる。それこそ“人となり”まで、僕には見えてくるんです。音楽に込もったミュージシャンの人間性とか作り手のリアルなバイブとか、そういう部分にリスナーがより敏感になってくると、ACOUSTIC REVIVEの製品や哲学がさらに理解されると思いますね」
starRo
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