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【特集】私の愛するヘッドホン2024〜中村美幸がエンジニアとして初めて購入し、長く使い続けるDENON AH-D7200

中村美幸

 現代の音楽制作に欠かせないツールとなったヘッドホン/イヤホン。「制作の大半をヘッドホンでこなす」と言うクリエイターやエンジニアが増えており、それに呼応するように各メーカーからも魅力的な製品が登場している。 青葉台スタジオ所属のエンジニアとして活動する中村美幸が、エンジニアとして初めて購入し、長らく使い続けているのはDENON AH-D7200だ。

DENON AH-D7200

DENON AH-D7200

 DENONのヘッドホン開発50周年を記念し、2016年に発売されたプレミアム・モデル。AH-D7000(2006年発売)を元に開発され、現代のヘッドホン・アンプやハイレゾ音源のパフォーマンスを最大限に引き出すように設計されている。  

【SPECIFICATION】
●型式:密閉ダイナミック型 ●ドライバー径:50mm ●振動板:フリーエッジ・ナノファイバー・ドライバー ●マグネット:ネオジム ●インピーダンス:25Ω ●感度:105dB/mW ●最大入力:1,800mW

優れた空間表現と解像度の高さ

 学生時代はイヤホンのFINAL B3を愛用していて、その音が自分のリファレンスになっていました。それからエンジニアとして仕事をしていく中で、モニター・スピーカーでの作業が中心となっていくんですが、モニター・スピーカーで聴きにくい部分を確認する役回りとしてヘッドホンが必要になったんです。そこで、まずは浦本(雅史)や吉井(雅之)といった先輩エンジニアが使用しているモデルを使ってみてヘッドホンでの試聴に慣れようと。それで購入したのがDENON AH-D7200でした。低域部分やステレオで立てるマイクの位置など、細かな判断を行う場面で活躍しています。

AH-D7200

AH-D7200はL/Rのドライバー・ユニットに対してケーブルを挿す両出しタイプ。耐久性にも優れる天然のアメリカン・ウォルナット材と、耳を包み込む厚いヘッド・パッドが高級感を醸し出している

 AH-D7200は比較的ナチュラルな傾向の音だと感じます。リバーブなどの空間表現に優れていて、解像度も高いです。ただ、再生機側の性能に影響される部分も大きいと思います。私は普段RUPERT NEVE DESIGNS RNHPを併用していますが、特に相性が良いと思うのはCURRENTのヘッドホン・アンプ。値は張るものの、“こうあるべき”という音でAH-D7200を鳴らしてくれるんです。

 このDENONのヘッドホン・シリーズは、ハウジングの素材違いでモデルが展開されています。AH-D7200はウォルナットで、ほかには竹やマホガニー、ゼブラウッドのモデルがあり、それぞれの鳴り方で自分好みのサウンドを選べるのもメリットかもしれません。

FINAL B3

中村が学生時代から愛用してきたFINAL B3。2基のバランスド・アーマチュア・ドライバー(高域用と中低域用)を備え、優れた装着感のステンレス筐体、リケーブルにも対応したMMCXコネクター+シルバー・コート・ケーブルなど、こだわり派もうれしいスペックとなっている

中村美幸

中村美幸
明治学院大学卒業後、2019年より青葉台スタジオに所属するレコーディング/ミキシング・エンジニア。BillyrromやQUBIT、安田レイなどのアーティスト作品を手掛けるほか、神山羊やサカナクションのライブ・スタッフも務めている。

Recent Work

『WiND
Billyrrom

(SPYGLASS AGENT)

 

製品情報

DENON AH-D7200

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