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たったコレだけ!曲をドラマチックに演出する方法 by tofubeats

 プロがあなたの楽曲にコメントやアドバイスをしてくれる、サンレコWeb会員限定企画『Send & Returnラボ』。一流のミュージシャンや音楽クリエイター/エンジニアが会員読者から送られた楽曲を聴き、具体的なコメントやアドバイスなどをお返しいたします。Vol.8では引き続きtofubeatsをゲストに迎え、あなたの楽曲にフィードバックをお戻しします!

今回の応募曲について

  • アーティスト名&曲名:Jimbae「ユリイカ (feat. Esosa Vee)」
  • 楽曲コメント:Jポップ的な歌メロを軸に、カルヴィン・ハリス「Slide」やゴリラズ「Tormenta」的な“大人ラテン”の雰囲気をブレンドしました。
  • お悩み:音数はセーブしてループ感は残したいけど、もっと派手な展開やおもちゃ箱みたいな音像を実現したい(アレンジの悩み)
  • 試聴音源:下記をクリック↓

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※記事におけるアーティスト名や音源については、“非公開”でも対応可能です。

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AIAIAI TMA-2 Studio

【tofebeatsからの楽曲コメント】

完成度の高い楽曲という印象

 早いもので、自分が担当する回は今回で最後。楽曲をお送りいただきました皆様、ありがとうございました。毎度毎度ハイクオリティな楽曲が沢山届いておりますが、最後に取り上げさせていただくのはJimbaeさんの「ユリイカ feat. Esosa Vee」です。

 イントロのSE(サウンドエフェクト)からドラマチックに展開し、普通に完パケしているレベルの“しっかりした楽曲”という印象でした。この楽曲にいったいどういうフィードバックがあれば良いんでしょうか……と思わずにもいられませんが、上記のような楽曲コメント&お悩みをいただいております。確かにワンループを軸に展開している楽曲ですが、ラップパートの挿入などもあり、一見すると展開もしっかり足りているような気はします。

 楽曲としてのベーシックな仕上がりは申し分ありませんので、ここに付け足す“エアロパーツ”的な部分をどうするか?といったところでしょうか。まあ、あくまでエアロパーツなので好みがいろいろあるとは思うのですが、今回も自分ならこれをどう持っていくか?という視点でフィードバックさせていただきます。

階段状にテンションを上げる構成で緩急を生むアプローチ

 まずこの楽曲、ワンループにフィルターが掛かって展開していくと思うのですが、1:05から始まる最初のフック(サビ)をもっと印象付けても良いのかなと思いました。ループベースの楽曲で印象を付けるのに大事な点はやはりストップ&ゴーで、現状でもリバースシンバル的なライザーや、FXっぽい効果音などが入っているのですが、Bメロ(0:48〜)で少し印象を奥まった感じにしたあと、フック(1:05〜)盛り上がる感じはもっとあっても良いのかなと思います。

 お悩みコメントにあった“おもちゃ箱みたいな音像”というところで言えば、ここでサビ前に少々派手目に左右に振ったドラムフィルを入れるとかは検討できそうです
 そして、さらに歌メロが1:22から盛り上がっていきますので、ここをもう少しドラマチックに構成することにもチャレンジの可能性はあると思います。曲名である“ユリイカ”という単語も出てきますので、ループを軸にしつつも持続音っぽいもので分厚さを出したり、ボーカルチョップや打楽器の追加でテンションをさらにある程度上げたいところです。

 このように階段状にテンションを上げていき、1:50からのバックスピンでストンと落とす感じにすればかなり緩急が生まれ、“良い感じ”になるのではないでしょうか。あと意識されてこのようなレイヤー感にされていたら恐縮なのですが、メインボーカルがシングルでハーモニー感が希薄なので、そこは分厚さを出す“余白”があるようにも感じました。

 またこれは違う視点でのアドバイスですが、曲中のバックスピンは効果音素材でなく実際の楽曲をDJでバックスピンしたものを収録した方が雰囲気がそろうのでお勧めです。 

 というわけで、今回はこのような感じでフィードバックとさせていただきました。そして『Send & Returnラボ』においてtofubeatsが担当する回は、今回で最後となります。改めて楽曲を聴かせ合うのって楽しいですよね。皆様の音楽ライフが今後も実り多いものになることを祈っております!

今回のゲストアドバイザー:tofubeats

【Profile】1990年生まれの音楽プロデューサー/DJ。2007年頃よりtofubeatsとしての活動をスタート。2013年に「水星 feat.オノマトペ大臣」を収録した自主制作アルバム「lost decade」をリリース。同年、森高千里をゲストボーカルに迎えた「Don't Stop The Music feat.森高千里」でワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビュー。最新作は全編ボーカルに歌声合成ソフトを用いたアルバム「NOBODY」。2024年10月から、5年ぶりの全国<ツアー『tofubeats JAPAN TOUR 2024』を開催中>
https://www.tofubeats.com/gigs
最新リリース:tofubeats『NOBODY』

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