日々音楽生活を送っていて、ふとした疑問が湧いたり、制作がうまくいかなくて悩むことはありませんか? 『音楽制作お悩み相談室』は、サンレコWEB会員の皆様が、そんな疑問をいつでもプロに投げかけることのできるコーナーです。本日は、307さんからの質問にお答えいたします。
照内さんへの質問投稿はこちらから!
Q. 宅録で音楽を作っていて、プロスタジオクオリティに近づけたいと考えています。コンデンサーマイク(AKG SolidTubeなど)やマイクプリ(Focusrite ISA one)、インターフェースやパソコン周りでプラグイン等も揃えましたが、何か“これ必要”、あるいはおすすめな機材を教えていただきたいです。よければ宅録する上での考え方等もできれば伺いたいです。
by 307
A. プラグインよりもモニター環境やマイク、楽器、ソフト音源にお金をかけるべし
307さんの現在の詳細な環境がちょっと分からないのですが、最低限のDAWとインターフェースがある前提で、僕だったら“これ必要”かなと思うものを挙げます。
信頼できるモニター環境
兎にも角にもここに一番お金を掛けるべきかなと思います。幾ら良い機材を揃えても、それが良いと判断できなければ意味がないので。
- 好きな音が大音量で鳴らせる部屋
- 判断しやすいスピーカー
- 聴き慣れたヘッドホン
この3つを全部揃えられるのが理想ですが、もし一つも持っていないなら今すぐに一つでも手に入れましょう。
最低限のマイク
- 歌用にSONY C-800G
高いよ!という人はSlate Digital ML-1やUniversal AudioのSC-1など、10万円前後のモデリング系のマイクを買いましょう。
- 楽器用にAEA KU5A、Shure SM57、Audio-Technica ATM25を1本ずつ
これだけあれば歌からドラムまで大抵のものがプロクオリティで録れます。
HA(マイクプリ)やコンプは、下手な安物を買うくらいならインターフェースに内蔵されているもので良いです(オーディオインターフェースは4chくらい同時にマイクが挿さるモデルを選びましょう)。
コンプは使い方が難しいから、下手な掛け録りをするくらいなら掛けない方が良いです(これはプロの人にも言えます)。
大きな声で歌うことが大事
これが一番大事なことです。
ウィスパーボイスを売りにしてる人以外、歌を歌うときはとにかく大きな声で歌いましょう! 多少ピッチやタイミングがずれていても、たとえちょっとひずんじゃっても(ちょっとだけですよ)、大声で元気良く一生懸命歌ってさえいれば、大抵のことは何とかなります。
近所迷惑を気にするのであればいっそ宅録は諦めて、近所のリハスタかカラオケボックスに行きましょう。
最低限のプラグイン
歌モノをやるなら、ANTARES Auto-TuneやCelemony Melodyneなど、何かしらのピッチ修正系があった方がよいと思いますが、ミックス用のプラグインに関してはWavesとPlugin Allianceあたりを一通り揃えておけば良し(最悪無くても良し)。
それよりモニター環境やマイクや楽器、ソフト音源にお金をかけた方が良いでしょう。
最後に“宅録する上での考え方”ですが、宅録をあくまで趣味としてやっているのか、将来的にそれで飯を食っていきたいのかで変わってきます。
趣味としてやっているなら僕がとやかく言うことは何もありません。とにかく楽しんでやってください!
もし仕事にしたいなのなら言いたいことがたくさんありすぎる。
ありすぎるので割愛しますが、頑張ってください。
以上です。
回答:照内紀雄
【Profile】青葉台スタジオ所属のエンジニア。Vaundy、ザ・リーサルウェポンズ、和ぬか、なとり、a子、キタニタツヤ、大橋ちっぽけ、[Alexandros]、マハラージャン、超ときめき♡宣伝部などを手掛ける。趣味は筋トレと野営。