第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、ギヴィオン『When It's All Said And Done... Take Time』、ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ『Save Your Tears (Remix)』です。
ビンテージ・ポップス感が非常に新鮮に聴こえる
今聴かれるべくして現れた曲
ジャスティン・ビーバー「ピーチズfeat. ダニエル・シーザー&ギヴィオン」の客演でも人気を集めているギヴィオンの「Heartbreak Anniversary」が非常に良いです。この曲はアルバムからのリカットなので出たばかりの新譜ではないですが、シルク・ソニックの「リーヴ・ザ・ドア・オープン(ライブ)」にも通じるビンテージ・ポップス感が非常に新鮮に聴こえる曲。さまざまなタイミング的にドハマりしました。オーソドックスがゆえにリリースのタイミングが悪いと埋もれる可能性は高い楽曲。
しかし、こういうビンテージ感を新鮮に感じるタイミングは周期的にくるので、この曲はまさに“今聴かれるべくして現れた”と思います。ドレイクの「Chicago Freestyle」でも評価が高まっていたので、今回はやっと本人名義でも大ブレイクといった感じではないでしょうか。
アリアナ・グランデの声と80年代ポップス・アレンジが好相性
2人の絡みも見事な完成度の高い楽曲
「ブラインディング・ライツ」がロング・ヒットという言葉ではもはや足りないくらい長期間のヒットを記録しているザ・ウィークエンドが、やっとアルバムからのリカットとはいえ、アリアナ・グランデをフィーチャーした「Save Your Tears (Remix)」をリリースしました。
オケはアルバムのままですが、アリアナ・グランデが非常に良いハマり方をしているので“こっちがオリジナルなのでは?”という感覚にさえなります。彼女の声と1980年代ポップス・アレンジの相性の良さが非常に良く、さらに2人の絡みも見事。いろいろと元ネタも感じますが、完成度は本当に高いです。
D.O.I.
【Profile】Daimonion Recordingsを拠点に活動するエンジニア。ヒップホップを中心としながらも、さまざまなプロダクションに参加している