- MOTU Digital Performer 11 製品概要
- 大橋莉子が語るDigital Performerの魅力
- Digital Performerのおすすめ付属ソフト/プラグイン
- Digital Performerのおすすめ機能
- MOTU Digital Performer 11 製品情報
- サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
MOTU Digital Performer 11 製品概要
MIDIの解像度において高スペックを誇るDAW。オーディオ/MIDIの編集機能も充実
世界で初めてピッチ編集機能を搭載したDAW。すべての機能を一つにまとめ、自由に分割/配置ができるように設計されたコンソリデイトウインドウを備え、画面の外観はカスタマイズ可能。レベルメーターのグラデーションや、オーディオ波形、MIDIリージョンのカラー、明度も変更することができます。もちろんオーディオやMIDIの編集機能も充実。また、扱うことのできる最大のPPQ(=Pulse Per Quarter )解像度が2トリリオン(2兆)となっており、MIDI解像度について圧倒的なスペックを誇るのも特徴と言えるでしょう。
製品ラインナップ
Digital Performer 11:79,200円前後
*オープン・プライス(記載は市場予想価格)
動作環境
Mac:macOS X 10.13以降
Windows:Windows 10 & 11(64ビット)
共通:Intel Core i3または同等のマルチプロセッサー(AMD、Apple Siliconを含むマルチコア・プロセッサーを推奨)、1,024×768のディスプレイ解像度(1,280×1,024以上を推奨)、4GB以上のRAM(8GB以上を推奨)
大橋莉子が語るDigital Performerの魅力
【Profile】SUPA LOVE所属の作詞家/作編曲家。幼少期より母親の影響でクラシックピアノやソルフェージュ、音楽理論を学ぶ。高校在学中に音楽作家として作詞、作曲、編曲を本格的に始める。現在に至るまで乃木坂46、HKT48、モーニング娘。'18など、さまざまなアーティスト、アイドル、声優に楽曲提供を行う。また、2020年には国民的アニメ『プリキュア』シリーズのエンディング曲に抜擢されるなど、第一線で活躍している。
ジャンルに関係なく作りたい音楽を直感的に作れる。MIDIの打ち込みにこだわりたい方におすすめ
すでに作曲家としてのキャリアを築いていた先輩作家の方に職業インタビューをしていたところMOTU Digital Performerをおすすめされ、使い始めたのが2009年頃でした。その先輩作家いわく、「長く作曲を続けるのであれば絶対にDigital Performerを使った方が良い。とにかく1回使ってみて!Digital Performerしか使えなくなるから!」とのことで、おすすめされるがままに導入したのですが、本当にその通りでした。
機能の豊富さや操作性の良さはもちろんのこと、打ち込みならではの繊細な表現や微調整がスムーズにできるので、当時は衝撃でした。また、作家界隈ではよく“DAWの乗り換え”を耳にしますが、Digital Performerは定期的にMOTUによるアップデートやアップグレードがあり、日本の正規代理店によるサポートにも対応しているので、個人的には他社のDAWに乗り換える必要が特にありません。長期的な目線で見ても非常にコストパフォーマンスに優れています。使いやすい機能がリリースされ、またブラッシュアップもされていくため、今風にいうと“沼”なDAWソフトという印象です。
そして、ポップス、アニソン、EDM、クラシック、ジャズなど、ジャンルに関係なく、作りたい音楽を感覚的に制作できるのも、Digital Performerならではの良さ。特にMIDIの打ち込みにこだわりたい方には、絶対におすすめできます。
Digital Performerのおすすめ付属ソフト/プラグイン
PolySynth(ソフトシンセ)
少しレトロな外観の、132種の音色が入った汎用性に優れているソフトシンセです。作曲する際に仮でメロディを打ち込むとき、デフォルトの音色を活用するのが個人的な定番の使い方になっています。プロのシンガーにもこの音色で聴いていただき、作詞作業や練習、レコーディングに入ってもらうこともあります。また、CPUへの負荷が低く、サクサク作業できるのもポイントです。
BassLine(ソフトシンセ)
さまざまなジャンルのベース音色107種が入ったソフトシンセです。こちらもPolySynth同様CPU負荷が低い仕様なので、サクサク作業できます。ユーザーインターフェースが日本語に対応しており、つまみを直感的に操作できるので、DTMを始めたばかりの方でも非常に使いやすい印象です。メインのベースはもちろんですが、楽曲に厚みを与えるためのサブベースとしてもBassLineを活用しています。
Parametric EQ(イコライザー)
かなりシンプルなデザインですが、必要なものがすべてそろっているEQです。付属のプリセットも豊富ですし、自分のお気に入りの設定を新たに追加することもできます。私はDigital Performerを使い始めた当時、まずEQに慣れるため、全トラックにParametric EQを挿していました。現在でもボーカルトラックの処理などさまざまなシーンで活用していて、かかり方がとても自然なところを気に入っています。
Digital Performerのおすすめ機能
あらゆる編集を行えるMIDIウインドウ
Digital Performer最大の魅力と言っても過言ではないのがMIDIウインドウです。こちらは試しにピアノで打ち込んだ画面になるのですが、音の強さ(ベロシティ)やペダルを踏むタイミングの調整など、ありとあらゆる編集が可能です。最高のテイクを録るつもりで思いきり打ち込んで間違えても思い通りの修正ができるので、かなり重宝しています。コンピューターのキーボードによる入力にも対応しているので、DTM熟練度に関係なく活用できるでしょう。
ドラムパターンを学べるドラムウインドウ
ドラムウインドウでは、正方形のグリッドに区切られた画面上で1音ずつMIDIを入力することができます。ドラムなどのリズム周りの制作では、このドラムウインドウ上でクリック入力して行うことが多いです。視覚的にドラムのパターンも学べますし、最初から1音の長さが一定なので、クオンタイズ(音の長さやタイミングを均一にそろえる機能)をかけて整える必要がありません。
オーディオトラックのクオンタイズ機能を標準搭載
Digital Performerには、オーディオトラックのクオンタイズ機能が標準搭載されているので、ピッチ修正を簡単に行えます。外部プラグインで修正する必要がないので、この機能が付いているのは経済的にもうれしいですね。私はボーカルのピッチ修正をこの機能を活用して行っています。手動で個別に調整していくこともできますし、ピッチクオンタイズで一気に整えることも可能です。
スイングにも対応するクオンタイズ機能
もちろん、打ち込んだMIDIのタイミングや長さを調整することも可能です。Digital Performer上では、打ち込んだ瞬間(アタック)と音を離すタイミング(リリース)の調整が可能です。また、スイングにも対応しているので、ジャズのような揺れるリズムを作りたいときにもスムーズに対応できます。完全にそろいすぎることで機械のような印象になってしまうことを避けたいときは、クオンタイズの感度や強さを調節することも可能です。
サウンドバイト(オーディオデータ)の一本化が可能
シーケンス上に置かれた複数のオーディオデータを一本化する機能です。オーディオデータを切ったり動かしたりと編集しても、この機能を使ってマージしておけば別途書き出しをする必要がないですし、ファイル容量の確保にも役立ちます。私はボーカルデータの処理をする際、タイミングを調整したり、不要なノイズをカットしたりしてからマージしています。
不要なデータを管理画面で整理できる
さまざまなサンプル音源のトラックなどを入れていると、シーケンス上では削除されていても、知らず知らずのうちにデータが溜まっていきます。それらを管理できるのがこの画面になります。不要なトラックをまとめて削除できるのはもちろんですが、例えば誤ってシーケンス上から削除してしまったオーディオデータもここから探すことができます。