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Pro Toolsの魅力とは?〜おすすめ付属ソフト&機能をMEG.MEが紹介

Pro Toolsの魅力とは?〜おすすめ付属ソフト&機能をMEG.MEが紹介

Avid Pro Tools製品概要

宅録環境からプロのレコーディングスタジオまで対応。オーディオ/MIDIともにさまざまな編集機能を用意

 レコーディングスタジオで長く愛されているDAW。時間軸上にトラックが並ぶ“編集ウィンドウ”と、ハードウェアミキサーを模した“ミックスウィンドウ”を基本構成とし、作業環境や気分に合わせた画面カラーのカスタマイズも可能です。また、Avid Cloud Collaboration機能を使えば、離れた場所にいる人とも1つのプロジェクト内で共同作業ができます。入門向けのPro Tools Artist、Dolby Atmosなどのサラウンドにも対応したPro Tools Studio、Pro Tools Ultimateが用意されています。

 製品ラインナップ 
Pro Tools Intro:無料
Pro Tools Artist:15,290円(年間サブスク版)、30,580円(永続ライセンス版)
Pro Tools Studio:46,090円(年間サブスク版)、92,290円(永続ライセンス版)
Pro Tools Ultimate:92,290円(年間サブスク版)、231,000円(永続ライセンス版)

 動作環境 
Mac:最新版のmacOS Monterey 12.7.xまたはVentura 13.6.x、M2、M1あるいはIntel Dual Core i5より速いCPU
Windows:Windows 10(22H2)、Windows 11(23H2)、64-ビットIntel Core Processor(i3 2GHzより速いものを推奨)
*2023年12月時点

MEG.MEが語るPro Toolsの魅力

MEG.ME

【Profile】3歳からピアノ、7歳で作曲を始める。数々のコンクールで受賞歴をもち才能が注目される中、大学では作曲を専攻し音楽知識をさらに深める。その後、シンガーソングライターの活動を経て、2011年8月よりMEG.ME名義で作家活動をスタート。クラシックからポップスまで多様なジャンルを得意とし、ミュージカルや舞台音楽なども手掛けるほか、キーボーディストとして世界各地で演奏活動をするなど、作詞/作曲/編曲家/プレイヤーとしてマルチに活躍するクリエイター。

オーディオの録音/編集/ミックス機能が充実。最大の強みは“ワールドスタンダード”であること

 私とAvid Pro Toolsとの出会いは、遡ること約13年。当時バンドメンバーが使っていた他社のDAWを、“誰かと一緒の方が困ったときに相談できそう”というペラッペラな理由で使っていたのですが、“あなたにはこっちが向いているよ”と、マニピュレーターだった仲間に超絶おすすめされたのがきっかけでした。Pro Toolsは“オーディオの録音、編集、ミックスのための完全なツールセット”であり、楽器の演奏、歌唱、編集、ミックス(楽曲コンペにギリ提出できるレベル)もする私にとって、最適なDAWだったわけです。

 音が良いし、最大の強みは“ワールドスタンダード”であること。スタジオでのシェアはほぼ独占と言っても過言ではないでしょう。まさに“誰かと一緒の方が困ったとき相談できそう”なDAWです。エンジニアの方ともセッションデータのままやり取りでき、お互いの編集過程が分かるので、意思疎通もしやすいです。

 そしてオーディオの編集機能が充実しており、ショートカットを覚えれば、いろいろな編集がサクッと一瞬で終わります。波形を見ながら編集できるのも感覚的で使いやすいです。近年ではMIDIの編集機能も改良されていて、打ち込みもストレスなく行えます。

 これから音楽制作を始める方、演奏や歌を録音して作曲していくタイプのシンガーソングライターやバンドマンには最適のDAWだと思います。持っていて損なし!

Pro Toolsのおすすめ付属ソフト/プラグイン

Pro Tools Sketch

Pro Tools Sketch

 タップ&ドラッグで直感的に素材を切り貼りしてトラックを作ることのできる、大注目のiPad用新アプリです!(編注:おすすめ音楽制作アプリ参照)こちらで作ったものをPro Toolsに取り込んで、本格的に曲を仕上げていくという使い方もできます。リリースされたばかりなので私もまだ経験値が少ないですが、いつでもどこでもアイディアをスケッチできるし、曲作りの自由度も楽しさも上がること間違いなしでしょう。

AIR Xpand!2(ソフトシンセ)

AIR Xpand!2

 無償のPro Tools Introにも付属しているソフトシンセで、DTMを始めたての方からプロまで、みんな大好きAIR Xpand!2。とにかくあらゆる種類の音源が入っています。4つまでパッチをレイヤーでき、バランスなどの設定も調整できて、とても使い勝手が良いです。私はほかの音源とレイヤーするなどして使うことが多いです。

EQⅢ(イコライザー)

EQⅢ

 ほぼ毎曲使っています。操作性が良く、クセもないので使い勝手が良いです。7バンドまで使用でき、ハイパス/ローパスフィルターもあります。また、サージカルEQとしての機能もあり、カットしたい特定の帯域をソロでモニターできます。普通はQの幅を絞りゲインを上げた上で周波数ポイントを動かして探るのですが、問題のある帯域で耳を傷めてしまうことがあり、この機能はとても便利です。

Pro Toolsのおすすめ機能

波形を拡大/縮小できるのでノイズを見つけやすい

波形を拡大/縮小できるのでノイズを見つけやすい

 Pro Toolsは、波形を拡大したときに細かいところまで見やすくて重宝しています。トラックのノイズなどが、目視で見つけやすいのです。ノイズは後々ミックスにも大きく影響してきますので、これはとても大事な基本機能だと思います。音を可視化して編集できるPro Toolsならではの強みです。

不要な音を一気にカットできるストリップサイレンス機能

不要な音を一気にカットできるストリップサイレンス機能

不要な音を一気にカットできるストリップサイレンス機能

 必要ない部分の音をバッサリカットできる便利機能です。選択した範囲の無音にしたい部分や小さいノイズを見つけ出して一気にカットしてくれるので、手動よりもスピーディーかつ正確です。どこまで小さい音からカットするかを自分で決めることができるようになっています。

エラスティックオーディオできめ細かいオーディオ編集

エラスティックオーディオできめ細かいオーディオ編集

 まるでMIDIを編集するようにオーディオを編集できる機能です。クオンタイズをしたり、微妙にタイミングを調整して、好みのグルーブを作ったりすることができます。切り取った部分の音程を細かく変えることも可能で、高精度&高品質な、きめ細かいオーディオの編集ができるようになっています。私は、録音した自分の声をX-Form(アルゴリズムの一つ)で音程を下げて、男性ボーカルとして仮歌に使用することもあります。

ドラッグ&ドロップでオーディオ/MIDIの変換が可能

ドラッグ&ドロップでオーディオ/MIDIの変換が可能

 Pro Toolsは、オーディオデータをMIDIトラックにドラッグ&ドロップするだけで、MIDIトラックに変換することが可能です(MIDIをオーディオ化することも可能)。私は、打ち込んで編集したMIDIトラックをオーディオに変換した後、再度MIDIに戻して部分的に編集し直すときなどに重宝しています。一瞬で変換できるので、何度も書き出さないといけないというストレスがないです。

0.00秒単位までキッカリ書き出せる

0.00秒単位までキッカリ書き出せる

 アニメのオープニングやエンディング、CM曲、あるいは最近だとTikTokなど、秒数指定で書き出さなければならない案件が多々あります。Pro Toolsは、0.00秒単位まで、いとも簡単にキッカリ書き出すことが可能です。スタート地点から秒数を指定<メインカウンターにあるLengthを入力>して、範囲選択し書き出すだけ。単純ですが多用する機能です。簡単にできるので助かっています。

リージョンを動かす値を細かく設定

リージョンを動かす値を細かく設定

 リージョンの位置を、あらかじめ指定した分だけ、コンピューターのキーで前後に動かすことができる機能です。これも地味ではありますが、Pro Toolsではこのナッジの値を細かく設定することが可能です。それも、秒数、サンプル、音符の単位が選べます。手動だとなかなか微調整をするのが難しいですが、この機能を活用すれば解決です。

Avid Pro Tools 製品情報

https://www.avid.com/ja/pro-tools

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