直感的な使いやすさを追求したワークフローで、制作からライブ・パフォーマンスまで幅広く対応
【製品概要】
そのシンプルな操作性から、国内外を問わず幅広い音楽ジャンルのクリエイターが使用する、ベルリン生まれのDAWソフト。オーディオ・サンプルやMIDIシーケンスを含んだ“クリップ”をタイムラインに沿って並べるアレンジメントビューと、各トラックのスロットに縦に並べるセッションビューの2画面で構成されます。
ほとんどの作業は一つの画面内で、また操作はドラッグ&ドロップで完結するため、初心者にとっても分かりやすい直感的な操作性を実現。多くのMIDIコントローラー/キーボードに対応しているのもポイントです。
エディションは、4種類のインストゥルメント/29種類のエフェクト/約5GBの音源が付属するLive Intro(10,800円)、6種類のインストゥルメント/49種類のエフェクト/約10GBの音源が付属するLive 11 Standard(48,800円)、17種類のインストゥルメント/74種類のエフェクト/約70GBの音源が付属するLive 11 Suite(80,800円)の3つがあります。
【動作環境】
Mac:macOS X 10.13以降、INTEL Core I5以上のプロセッサー、Rosettaを使用するAppleシリコン、1,280×800のディスプレイ解像度、Core Audio準拠のオーディオI/Oを推奨
Windows:Windows 10 Ver.1909以降、INTEL Core I5以上またはAMDのマルチコア・プロセッサー、1,366×768のディスプレイ解像度、ASIOと互換性のあるオーディオ・ハードウェア(Link機能使用時に必要)
共通:8GBのRAM、オーソライズに使用するインターネット接続環境
VaVaが語るABLETON Liveのココが好き!
【Profile】SUMMIT/CreativeDrugStore所属のプロデューサー/ラッパー。BIM、KID FRESINO、kZmなどから平井堅やサニーデイ・サービスらのリミックスやプロデュースを手掛ける。7月23日に『Minecraft』をリリース。
初心者にとっても分かりやすい直感的な操作性を備え、さまざまなMIDIコントローラーにも対応するストレス・フリーなDAW
僕がLiveを購入したのは、完全にtofubeatsさんの影響。高校生の時にtofuさんが企画するYouTube動画シリーズ“HARD-OFF BEATS”を見て、こんなに楽しそうに曲作りする人たちが居るんだな、と思いました。でも当時はtofuさんがどんな機材やプラグインを使っているのかさっぱり分からない状態でしたので、Twitterを通して直接ご本人に聞いてみたら丁寧に教えていただいて。それをきっかけに、それからはアルバイト代をすべてAPPLE MacBook ProとLiveの購入代に注ぎ込みました。
Liveを使い始めてもう11年になりますが、本当に使いやすいDAWだと思います。特に画面のレイアウトやデザインがシンプルで、初心者にとっても分かりやすい直感的な操作性です。
そして一番感謝したいのは、アップグレードによるユーザーへの配慮。Live Suiteを買えばMax for Liveという機能が付属し、世界中のプログラマーが開発した最新デバイスを専用サイトから無限に追加できるため、実質他社製のプラグインが無くてもどうにかなるくらい奥が深く、コスト・パフォーマンスも優れています。オーディオ・サンプルやデバイスがパッケージされた無償Packも豊富だから曲作りには困らないと思いますし、さまざまなMIDIコントローラーに対応しているのも素晴らしいですね。ほぼストレス・フリーなDAWだと思っています。
お気に入りポイント1:アレンジメントビュー
Liveは、オーディオやMIDIノートをタイムラインに並べて曲作りする“アレンジメントビュー”と、各トラックのスロットに並べて再生する“セッションビュー”の2画面構成で、僕は主に前者で制作を行います。
プロジェクトとテンポの違うドラム・サンプルをアレンジメントビューに置くだけで、オーディオ・タイム・ストレッチ機能のWarpによって一瞬でテンポが合ってしまうため、DAW初心者には「はい!もう形になりました!」と、マジックを披露することができます(笑)。Liveは操作性がとにかくシンプルで直感的なので、初心者の方にも優しいDAWだと言えます。
お気に入りポイント2:付属音源/デバイス
基本的なところですが、Liveにはさまざまな音源やデバイスが付属しており、どれもめちゃくちゃCPU負荷が低いんです。ビギナー向けに翻訳すると、サクサク動作するんですよ。僕は他社製プラグインもLive上で使用することもあり、その数が増えてくると、だんだんコンピューターが悲鳴を上げてきます(笑)。そんな状況下で、それらをLive付属プラグインに差し替えてあげると、一気にコンピューターの動作が速くなるのです。恐ろしいことに、これらのLive付属プラグインはアップデートするたびに機能が追加されたり、改善されたりします。DAW初心者は、まずLive付属の音源やデバイスから極めていくのがよいでしょう。
お気に入りポイント3:コンピング/テイクレーン
MIDIやオーディオにおける複数の演奏テイクを編集/選別できる“コンピング”。最新バージョンであるLive 11からの機能ですが、録音した複数のテイクを“テイクレーン”として展開することができます。ある部分だけ“ほかのテイクの音声データに差し替える”という、いわゆるパンチ・イン作業がとても簡単にできるようになりました。僕みたいなラッパーは、もう土下座レベルに感謝していると思います(笑)。
これまでは毎回オーディオ・トラックを追加し、ループさせた状態でその部分だけ録音して、差し替えるという作業で、苦ではなかったのですが、このコンピングを使った瞬間、膝から崩れ落ちました。言葉を詰めたフレーズのボーカルを録音するときなどに、とても重宝するので、ぜひこの機能は使ってみてほしいです。
Liveのおすすめ付属プラグインを紹介!
Auto Filter[フィルター]
Auto Filterは、例えるなら“実家”のようなフィルターだと自分の中では思っていて、フィルターのかかり具合が絶妙なので重宝しています。動作も軽く、どんな場面でも使えるLive付属プラグインです。ソウルやR&Bの上モノをループさせた状態にして、このAuto Filterのパラメーターをくるくるしているだけで心地良くて癖になります。シンプルな機能ながらも、使えるシチュエーションが無限大にあるフィルターと言えるでしょう。ビギナーのころから使っているプラグインで、間違いなくお薦めです。
Vocoder[ボコーダー]
Vocoderは、その名の通りボコーダー・エフェクト。かなり初期からある付属プラグインです。まだ僕がラップを始めていなかったときに、よくこのVocoderをボーカルに使って遊んでいました。エフェクトをかけたいオーディオ・トラックに対して、キャリア(基本となる音色)を外部に変更し、Audio Fromを設定すれば、さまざまなシンセの音色が使えます。エフェクトのかかり具合は良い意味で優しいです。
また応用編として、Vocoderをパーカッションや金属音などに用いることで、かなりエッジの効いたサウンドを作れます。使い方次第では、さまざまな音色を作れる万能プラグインだと思います!
Boombox Drums[マルチエフェクト]
EQやコンプ、サチュレーションなど複数のデバイスを含むオーディオ・エフェクト・ラックです。とりあえず僕は何も考えずにマスターに挿して使っていますが、設定無しでも一気に“ドカン”と迫力が出せ、ヒップホップなどのビートではグルーブも生まれやすくなります。
大味かと思いきや、パラメーターは豊富でかかり具合もかなり細かく調整できるため、とても万能です。画面はシンプルで扱いやすく、自分好みにカスタムできるのも魅力的でしょう。
Limiter[リミッター]
Limiterも、Auto Filterと同様に初期からずっと使っているプラグインの一つ。簡単に言うと、全体の音割れを防ぐために用いるエフェクトです。ほぼすべてのチャンネルに“保険”としてLimiterを挿しています。
曲作りに慣れてきたら、だんだんLimiter無しでも音割れしなくなりましたが、とりあえず無心で曲制作をガンガン進めたいときもあるのでよく用いていますね。何よりCPU負荷が少ないのもポイントで、総合的に見てもこのLimiterはかなり優秀だと思っています。
EQ Eight[イコライザー]
EQ Eightは僕の中の必須プラグインの一つです。僕が今までリリースした楽曲のプロジェクトで、このEQ Eightを使っていないプロジェクトは一つも無いと思います。よくDJをやっていたときは3バンドEQのEQ Threeを重宝していましたが、このEQ Eightは8バンドEQということで、かゆいところにもさらに手が届きます。
使用法としては、まず画面内にあるEQポイントをドラッグして気になる周波数帯域を特定し、あとはゲインの上げ下げを決めるだけ。シンプルな操作感で、どの場面でも簡単に使えるEQです。
Compressor[コンプレッサー]
これからDAWを購入したい!という方、もしくは音楽制作を始めたばかりの方には、あまりコンプレッサーの効果が分かりにくいかと思います。ですが、コンプレッサーは音楽制作を続けていく上では間違いなく必要になってくるもの。大きい音と小さい音の差を埋めていくエフェクトなのですが、一番奥が深いと言っても過言ではありません。
Compressorは、しきい値としてのスレッショルド、圧縮比率のレシオ、そしてアタック/リリースなどのつまみもシンプルで、とても分かりやすい操作性です。サイド・チェイン・コンプも簡単に設定できるので、こちらも僕が毎回使っているお薦めプラグインとさせていただきました。