- Ableton Live 製品概要
- Laurが語るLiveの魅力
- Liveのおすすめ付属ソフト/プラグイン
- Liveのおすすめ機能
- ABLETON Live 製品情報
- サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
Ableton Live 製品概要
制作からライブパフォーマンスまで対応。シンプルなデザインで直感的な操作ができる
国内外で幅広いジャンルのクリエイターが使用する、ベルリン生まれのDAWソフト。オーディオサンプルやMIDIシーケンスを含んだ“クリップ”をタイムラインに沿って並べるアレンジメントビューと、各トラックのスロットに縦に並べるセッションビューの2画面で構成されます。多くのMIDIコントローラー/キーボードに対応しているのもポイント。約5GBの音源が付属するLive 11 Intro(10,800円)、約10GBの音源が付属するLive 11 Standard(48,800円)、約70GBの音源が付属するLive 11 Suite(80,800円)の3種類があります。
製品ラインナップ
Live 11 Lite(対象製品にシリアル付属)|Live 11 Intro:10,800円|Live 11 Standard:48,800円|Live 11 Suite:80,800円
動作環境
Mac:macOS X 10.13〜13、Intel Core i5以上またはApple M1プロセッサー
Windows:Windows 10 Ver.1909以降、Intel Core i5以上またはAMDのマルチコア・プロセッサー
共通:8GBのRAM、オーソライズに使用するインターネット接続環境
Laurが語るLiveの魅力
【Profile】趣味の音楽ゲームで自身の楽曲をプレイしたいという夢を抱き、作曲を始めた。オーケストラや民族楽器などを中心とした生楽器と、幅広いクラブミュージックを一つの楽曲として融合させるスタイルを軸に楽曲制作をしている。現在、所属レーベル“HARDCORE TANO*C”にて、主に活動中。
自分の発想を確実にアウトプットできる。とにかくサウンドメイキングを極めたい人におすすめ
昨今のクラブミュージックシーンにおいて圧倒的なシェア率を誇るAbleton Live。そのゆえんは、ほかのDAWでは見られないような付属プラグインや、機能の充実性にあると考えています。僕がLiveを導入したのも、好きなアーティストの作曲配信を見た際に圧倒的な自由と創造性を感じ、“自分もこんな機能を使って作曲をしてみたい……!”と憧れを抱いたことがきっかけです。
実際に使用してみると、これまでに体感したことのなかった音作りの柔軟性に驚かされることばかり。湧き立つ探究心から、ゲームのような感覚で触り続けることができました。今となっては“このDAW無しで作曲することは考えられないな”と思うほど、頼りっきりです。
そんなLiveには、誰でも実験的で繊細なサウンドを作れるデバイス“Granulator II”や、最新のシンセにも引けを取らない“Wavetable”などのインストゥルメントプラグインをはじめ、サンプリングの尺やピッチを自在に操ることができるサンプルエディター、自分で組んだ複数のプラグインをまとめて即座に保存できるRack機能など、付属ソフト、機能だけでも魅力であふれています。
今回は僕が使っている付属ソフトやプラグイン、機能の中から、特に知ってもらいたいものをご紹介いたしますので、この機会にぜひLiveに興味を持っていただけるとうれしいです。
Liveのおすすめ付属ソフト/プラグイン
Saturator(サチュレーター)
音を派手にひずませたいときに、真っ先にインサートするのがSaturatorです。音の厚みと深みに大胆なキャラクターを与えてくれるのが特徴で、ほかのサチュレーターとは一味違った効果があります。Soft Clipモードを利用してDriveを微調整することにより、クリエイティブなアプローチにも挑戦できます。
Granulator II(ソフトシンセ)
Live 11 Suiteに付属しているGranulator IIは、非常に柔軟で革新的なグラニュラーシンセです。任意のサンプルをこのシンセ上にドラッグ&ドロップし、ループポイント、ループ幅を指定することで、幻想的かつ複雑な音を生成することができます。アンビエンス的なサウンドメイキングや、音のバックにテクスチャーを一味加えたいときの選択肢として外せません。
Utility(エフェクト)
こちらはシンプルかつ強力なツールです。ゲイン調整、位相反転のほか、パンニングやステレオワイドニング機能も完備しているので、名前の通り実用性が非常に高く、これ一つで基本的な処理をアシストしてくれます。また、ゲインの値が“−∞”まで対応しているのも魅力的。リバーブなどの成分を含め、任意のタイミングでトラックの音を切りたいときに重宝しています
Liveのおすすめ機能
直感的にオーディオ素材の編集ができる
Liveの標準機能であるサンプルエディターは、直感的なオーディオ素材の編集が可能になっています。ゲイン調整やループ素材のテンポの変更、逆再生といった工程が1クリックで済んでしまうのは、非常に画期的と言えるでしょう。特に、WarpのRe-Pitchというモードを使用してドラムの素材をプロジェクト全体のテンポに合わせるという使い方が、僕の一押しです。
お気に入りの音ができたら“Rack”に保存
Rackは、複数のインストゥルメントやエフェクトを一つのグループフォルダにまとめる機能です。楽曲制作中にお気に入りの音ができた際にRackに保存しておくことで、別プロジェクトからのアクセスが容易になります。いつでも自分が作った音を引用できるのは、制作において大きなアドバンテージを生むこと間違い無しでしょう。
複数のプラグインを2つのノブで制御できるMacro
Rackをさらに活用するために欠かせないのがMacroです。インサートされているプラグインのパラメーターを、同時に1つのノブで制御できる機能で、煩雑なオートメーションもシンプルな操作で高度な制御が可能になります。また、Macroの数も最大16個まで作成できるので、自分だけのオリジナルエフェクターのように細かく設定することも可能です。Liveの画期的な機能として押さえておきたいものの一つですね。
テイクレーンを用いてオーディオ素材を手軽にコンピング
コンピングは、複数のオーディオ素材を手軽に1つのトラックに切り貼りできる機能です。本来はテイクを選別する機能として用いられますが、僕はドラムやベースのループに使うことが多いです。創造性と偶然性がマッチして生まれるグルーブは、自身の想像を大きく超える形で楽曲に反映されることもあります。手軽に良いグルーブを作りたい日には、ぜひとも試していただきたいです。
プラグインやRackなどを柔軟に検索できる
当たり前のようで実は非常に便利なのが、この検索機能。付属プラグインのほかに、サードパーティ製のプラグインや自身が作成したRack、サンプルなどにスムーズにアクセスできるようになっています。プラグインやパッチの名称を忘れてしまったとき、2文字程度のワードで検索して特定することも可能なので、とても助けられます。
DAWの機能やプラグインを自作できるMax for Live
Live Suite に付属するMax for Liveは、内部に組み込まれている開発ソフトウェアにより、プラグインを自作することができる機能です。自分でプラグインを作成することはもちろん、ほかのユーザーが作成したプラグインを使用することもできます。ハードウェアとの接続設定などといったDAWの機能を拡張することもできるので、自分だけのDAWにカスタマイズするということも容易です(上の画像はMax for Liveにて使用できるプラグインの一例。スタッター、ゲート、ピッチ変更などの加工を任意のタイミングで組み込める便利なプラグインです)。一度試してみてはいかがでしょうか?