2006年にコペンハーゲンで設立されたオーディオ・ブランド、AIAIAI。同社のヘッドホンは独自のモジュラー設計を採用し、ユーザーがパーツをカスタマイズできるというユニークな仕様が特徴だ。ここでは同社のワイヤレス・ヘッドホンTMA-2 Studio Wireless+を、音楽制作からDJプレイ、リスニングまで日常的に幅広くヘッドホンを愛用するというDJ/プロデューサーのandrewがレビュー。TMA-2 Studio Wireless+の特性とその実力を確かめたい。
AIAIAI TMA-2 Studio Wireless+〜高音質でワイヤレス……まさに最強のヘッドホンです
高度なリスニング体験を提供するために設計されたワイヤレス・ヘッドホン。独自技術W+ Linkにより16msの一貫した低遅延を実現し、16ビット/44.1kHzの非圧縮オーディオ・ストリームを提供する。40mmのバイオセルロース製振動板により、高域のディテールが明確で、中域がより際立ち、自然なトーンを実現するという。また、アルカンターラ素材のイヤー・パッドとメモリー・フォーム・クッションにより、長時間の使用でも快適さを維持。ヘッドホンはモジュール式を採用するため、ユーザーは自分のニーズに合わせてカスタマイズでき、長期的な使用も可能だ。
SPECIFICATIONS
●ドライバー:40mm、バイオセルロース製振動板仕様 ●インピーダンス:32Ω ●周波数特性:20Hz~20kHz ●感度:97dB ●定格出力:40mW ●最大出力:100mW ●重量:約277g ●接続モード:W+ Link/Bluetooth 5.0/有線 ●バッテリー寿命:W+ Linkモードで最大約15時間、Bluetoothモードで最大約80時間
高解像度で定位感もくっきり
予備を含め、合計6台のヘッドホンを持っているというandrew。
「僕にとってヘッドホンはメイン・ツール。制作ではスピーカーよりもヘッドホンを多用します。TMA-2 Studio Wireless+は、オンライン・ラジオblock.fmで番組を持たせていただいたうちの約2年間、モニターとして使用していたので親しみがありますね」
音源デバイスに付属のトランスミッターX01を接続し、W+ Linkモードでandrewに試聴していただいたところ、このような答えが返ってきた。
「クラブ・ミュージックからポップス、R&Bなど幅広い音楽ジャンルを聴いてみたところ、総じて定位感がはっきりしており、音が立体的に聴こえます。特にリバーブの広がりや余韻に関しては、ほかのヘッドホンよりも見やすいです。音の解像度も非常に高いですね」
TMA-2 Studio Wireless+の周波数特性については、こう述べる。
「高域については、立ち上がりが速い傾向ですが聴き疲れしにくいです。音量を上げても“耳が痛い”という感覚はありません。中域は分離が良くて、ボーカルとほかの楽器との距離感が明確に分かります。低域はフラットに近く、ブースト感はありません。ローエンドについても同じですが、しっかりとした存在感はあります」
ケーブルの煩わしさから解放された
遅延について、andrewは「全く感じませんでした。有線ヘッドホンと同等の使用感です」と強調。続けて、ワイヤレスであることのメリットについても話してくれた。
「一番はケーブルがあることで感じる煩わしさが解消される点。有線の場合、距離が限定されるため自由に動けません。またレコーディング時は歌録りをするアーティストや楽器演奏者のモニターとしても有用です。DJにおいては、交代時にケーブルが絡まることもないでしょう」
andrewは、最後にこうに締めくくる。
「TMA-2 Studio Wireless+は、DJプレイから音楽制作やレコーディングまで幅広い用途にお薦めです。軽くて着け心地が良いため、長時間作業でも快適でした。Bluetooth接続では最大80時間持つため、バッテリーの心配もほとんどありません。最強のヘッドホンですね」
【Profile】TREKKIE TRAX発足/運営メンバーの一人。DJとしてULTRA JAPAN 2015などへ出演したり、プロデューサーとしてもBBC RADIO1で楽曲がプレイされるなど、国内外での評価を獲得。
Recent Work
『Blueprint for The New Paradise EP』
andrew
(TREKKIE TRAX)