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『Augusta Camp 2023』を360 Reality Audioで体感!

Augusta Camp 2023

Photo : ASTUKI IWASA

360 Reality Audioで収録された『Augusta Camp 2023』

Augusta Campの収録を長年手掛けてきたSCIが、360 Reality Audio化を前提とした収録を行った『Augusta Camp 2023』。これまでにスキマスイッチや秦 基博らの作品にも携わり、さかいの土佐清水での凱旋ライブの録音も手掛けたSCIの日高智将に、当日の収録の様子を尋ねた。

ウインドジャマーで雨や風の影響を防ぐ

 360 Reality Audioを前提とした収録のポイントを尋ねると「エンジニアの方と相談しながら、全方位を録れるようなマイキングをして、必要になりそうなすべての素材を録れるプランニングを行いました。僕らのライブ録音の経験とエンジニアのやりたいことを照らし合わせて希望を叶える努力をします」と話した日高。

 演奏面のマイクはPAチームが担当するため、SCIでは主にアンビエンスマイクを設置。360 Reality Audioの収録で使用するマイクの傾向についてこう話す。

 「2ミックスの映像パッケージを目的として録る場合のアンビエンスマイクは、単一指向のものやガンマイクなど、観客の反応を直接録れるマイクをよく選びますが、360 Reality Audioでは無指向のものを使って会場全体の雰囲気をしっかり録れるように立てることが多いです。『Augusta Camp 2023』では、野外での耐久性を考慮し、ガンマイクのSENNHEISER MKH 416-P48U3、無指向性コンデンサーマイクのBrüel & Kjær 4006、NEUMANN U 87 iを使いました」

 「僕らはライブ録音を専門にしているので、データが欠けないように録音するのが大前提で、雨や風の影響を受けずノートラブルで終えることを最も大事にしています」と日高。特に野外で欠かせないのがウインドジャマーだ。

 「前夜祭は大雨だったので、雨風の対策をして収録しました。豪雨でも耐えられるクオリティのウインドジャマーを使ってしっかり吸音するので、マイクに直接雨の音は入りません」

ステージ前のマイクはスタンドに立てて設置。雨風を防ぐため、録音待機中はビニールをかぶせていたという

ステージ前のマイクはスタンドに立てて設置。雨風を防ぐため、録音待機中はビニールをかぶせていたという

前後/上下のマイキングで空間全体を収録

 会場でのマイク配置について聞いてみよう。

 「ステージ前方にはステレオで5ペアのマイクを立てたのに加え、360 Reality Audio用にボトムの情報も録りたかったので、サブウーファーを直接狙うマイキングもしています。ライブハウスだと、ステージ前にバウンダリーマイクを置いて360 Reality Audioの下場の表現にすることが多いと聞くので、それを意識して一番低いところで地面で鳴る音を含めて録れたらと思い設置しました。ステージ横のトラスの5mくらいの高さにもマイクをクランプしています」

 加えて、360 Reality Audio独自のマイキングも行われた。

 「会場後方のFOH付近にある左右のピンタワーには、高い位置と低い位置にそれぞれ1ペア立ててPAスピーカーから鳴る音を狙いました。ステージ横のトラスと併せて少し高いところの前と後ろの情報を録れるようにしたのです。普段ピンタワーにはあまりマイキングしませんが、今回は360 Reality Audioの収録を意識して立てたものです。下のマイクは低音が録れつつ一般的なアンビらしい音で、上のマイクでは、より空間がしっかり録れていました」

収録日のマイク図面。赤い矢印がマイクを示す。前方には、客席に向けたステレオ5ペアのマイクに加え、正面にはサブウーファーを狙うマイクもステレオで配置。客席内後方の左右のピンタワーにも高低1ペアずつマイキング

収録日のマイク図面。赤い矢印がマイクを示す。前方には、客席に向けたステレオ5ペアのマイクに加え、正面にはサブウーファーを狙うマイクもステレオで配置。客席内後方の左右のピンタワーにも高低1ペアずつマイキング

 録音する際には「マイクプリを通すだけで、ローカットやEQ、コンプはしません。録音後はほぼそのままの状態でエンジニアの方に渡します」と話す日高。こうして会場の熱量が凝縮された素材を元に『Augusta Camp 2023』は360 Reality Audioとしてパッケージされることとなった。

あの感動を360 Reality Audioで体感!
『Augusta Camp 2023 Film Concert ~powered by 360 Reality Audio~』開催決定!

2023年9月23日に横浜赤レンガパークで開催されたAugusta Camp 2023の感動が、全国6カ所のライブハウスを回る“フィルムコンサート”として帰ってくる! 360 Reality Audio&ライブ映像で楽しむ新感覚の体験型イベントとなっているので、ぜひ足を運んでほしい。

開催概要

◎日時/場所:

  • 1月12日(金)、1月13日(土)札幌 cube garden
  • 1月21日(日)仙台 MACANA
  • 2月4日(日)、2月5日(月)大阪 Hep Hall
  • 2月16日(金)〜2月18日 (日)名古屋 SPADEBOX
  • 2月23日(金)、2月24日(土)福岡 UNITED LAB
  • 3月2日(土)、3月3日(日)東京  WITH HARAJUKU HALL

◎価格:1,360円
◎チケット購入:イープラス
◎チケット販売開始日:2023年12月18日(月)
◎詳細/問い合わせ先:Augusta Camp Webサイト

山崎まさよし、スキマスイッチ、さかいゆうからのメッセージ動画はこちら!

Artist Comment|山崎まさよし

山崎まさよし

Photo : TSUNEO KOGA

オーディエンスが“味わう”ことに特化

 360 Reality Audioは、感じるだけでなくオーディエンスが“味わう”ことに特化していますね。僕もスタジオで『Augusta Camp』のコンテンツを360 Reality Audioで試聴したところ、定位がしっかりしている上に、360°にパンニングできるので、“ベースがあそこにいるな”とか“ギターこっちだな”とか“横並びで歌っているな”とか、ステージ上のメンバーの場所がはっきり分かって、当日の雰囲気を思い出しました。

 僕が始めた頃のAugusta Campは全国5カ所のツアー開催でした。今回のフィルムコンサートは、その頃のように『Augusta Camp』が360 Reality Audioと一緒にいろいろな場所を回るということで、Augusta Campに来られなかった人にとっても画期的な企画だと思いますので、ぜひ足を運んでほしいです。

360 Reality Audio 公式Webサイト

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