SONARWORKSから、マルチチャンネルに対応したモニター環境補正システムのSoundID Reference for Multichannel(パッケージ版+専用測定マイク:74,800円/ダウンロード版:71,400円)が発売された。
SoundID Reference for Multichannelは、シンプルなステレオから9.1.6ch Dolby Atmosまでのスピーカー・セットアップに対応。正確で信頼性の高いリファレンスサウンドを提供。また、プロファイル・データベースから480種以上のヘッドフォンをキャリブレーションすることができ、ヘッドフォンとスピーカーとの間で一貫したリファレンスサウンドを実現する。
SoundID Reference for Miultichannel
新製品発表&デモストレーションレポート
去る5月24日、Media Integration Labにて、SVP of GlobalのJanis Spogis氏とエンジニアのAnatolii Shiriaev氏によるSoundID Reference for Multichannelのデモンストレーションが行われた。
スピーカーやヘッドフォンは機種によって周波数特性が異なり、また同じスピーカーを使っても部屋の音響特性によって響きが異なる。このようなサウンドの違いをフラットに補正できるのがSoundID Referenceだ。
SONARWORKSは2012年にラトビアで設立し、SoundID Referenceの前モデルであるReferenceシリーズを2015年に発表。2021年のメジャー・バージョンアップから現在のモデル名SoundID Referenceにリニューアルした。
Apple MusicやNetflixのDolby Atmos対応などにより、マルチチャンネル制作の需要が増えているが、スピーカーが同機種でなかったり、部屋が非対称であったりした場合、ベストなモニタリングができるとは言いがたい。このようなマルチチャンネルのモニター環境をDIYで補正できるのがSoundID Reference for Multichannelだ。これまでのシリーズと同様のシンプルな操作でプロファイルを作成できる。
ソフトウェアが指示するポイントに専用の測定マイクをに移動すると、スピーカーから出力される測定音を収音して測定が開始。キャリブレーションポイントは37カ所で、作業自体は約45分で完了する。
マルチチャンネル(今回は5.1ch)のキャリブレーションのデモンストレーション後、補正前/補正後の音の違いをチェックしたところ、補正後は音響的な癖がなくなり、より空間の奥行きや広がりが感じられた。続いて、スピーカーと3種類のヘッドフォンで補正後のサウンドをチェック。SoundID Referenceで補正するとほぼフラットな音質になることに驚く。ヘッドフォンのサウンドは、補正前に切り替えると機種固有の音質が際立ち、その違いは顕著だった。
Media Integration Labについて
メディアインテグレーションが2021年11月にオープンした音響研究スタジオで、株式会社ソナの中原雅考氏の音響設計のもと、FOCAL CIスピーカーによる62.2chの理想的な4π音場を実現。Dolby Atoms、360 Reality Audio 、Ambisonics 他、主要なイマーシブ・オーディオ・フォーマットを再生できる。