パッド機材は、ドラムに限らずギターやシンセ、効果音などあらゆる音色を取り込み、それらを自分の好きな配置で並べることができるのも大きな特徴。ここでは、制作やパフォーマンスでパッド機材を活用しているクリエイター8名にアンケートを実施し、サウンドのアサイン方法や鳴りの良いサウンドを作るコツまで尋ねてみました。それぞれのスタイルに合った個性的なパッド・アサインを、みなさんの活動にもぜひ取り入れてみてください。
Koyas
【Profile】東京を拠点にしているアーティスト/プロデューサー。PCとハードウェアを組み合わせたライブで電子音楽を操り、その活動はイベントやレーベルの運営/ABLETON認定トレーナー/ライターなど多岐にわたる。
Recent work
『Synthesizer Gnosticism』CD HATAxKOYAS(psymatics)
Q1. メインで使用している、またはお気に入りのパッド機材でよく使うパッド・アサインと、それをどのような場面で使用しているか教えてください
A1. ABLETON Push 2
メインDAWであるABLETON Liveのプリセットに近い配列にしています。制作でもライブ・パフォーマンスでも基本はこの配列です。GM音源のドラムの配置を基本としていて、ドラム音源を別のものに差し換えたときでも、同じように鳴るので便利です。
Q2. 所有しているパッド機材は?
A2. ABLETON Push 2、PIONEER DJ Toraiz SP-16、Toraiz Squid、SENSEL Morph、KORG Padkontrol、NATIVE INSTRUMENTS Maschine、AKAI Professional Rhythm Wolf、ROLAND SP-808EX。
Q3. あなたが思うパッド機材の魅力とは?
A3. 一番の魅力は、専門的な楽器のトレーニングを受けなくても簡単に演奏できるところです。また、フィンガー・ドラミングだけでなく、ステップ・シーケンサーやシンセの演奏、エフェクトの操作など、さまざまな用途に使えるところや、パッドが光る視認性の良さも魅力です。
Q4. 良い鳴りのサウンドを作るコツを1つ教えてください。
A4. ただパッドをたたくだけでなく、ノブ/XYパッド/スライダーなどと組み合わせてサウンドを変化させることを心掛けています。自分の音楽ジャンルはパッドでビートを刻み続けるタイプではないので、こちらの方がパッドのいろいろな使い方が楽しめます。
minan(lyrical school)
【Profile】ガールズ・ラップ・ユニットlyrical schoolのメンバー。個人でもトーク・ライブなどに多数出演。MPCの演奏動画『lyrical school minanのMPC叩いて歌ってRAPしてみた動画』がYouTubeにて公開中。
Recent work
『Wonderland』lyrical school(ビクター)
Q1. メインで使用している、またはお気に入りのパッド機材でよく使うパッド・アサインと、それをどのような場面で使用しているか教えてください
A1. AKAI PROFESSIONAL MPC Touch
ソロでライブをするときのメイン・セットです。音源の上で、この配列でビートをたたきながら歌っています!
Q2. 所有しているパッド機材は?
A2. AKAI PROFESSIONAL MPC Touch、MPC Element。
Q3. あなたが思うパッド機材の魅力とは?
A3. 直感的に使用できること。DTMは難しそうというイメージだったのですが、パッド機材を使うと感覚的に音楽が作れてとても楽しいです。
Q4. 良い鳴りのサウンドを作るコツを1つ教えてください。
A4. 最初にMPCに触れたときの“すごい! カッコいい!”という初期衝動を大事にして演奏しています。
HIRORON
【Profile】プライベート・スタジオATENE STUDIO主宰。SKY-HI、XIIX、KEN THE 390、おかもとえみ、Leadなど多数のアーティスト・ライブをDJ/マニピュレーターとしてサポート。映画『とんかつDJアゲ太郎』のDJ/MPC指導や、リクルート『タウンワーク』CMでDJ役でのダウンタウン松本人志との共演など、幅広く活動する。
Recent work
『ずっとあそんでる』HI-SO(Y.O.U.R MUSIC)
Q1. メインで使用している、またはお気に入りのパッド機材でよく使うパッド・アサインと、それをどのような場面で使用しているか教えてください
A1. NATIVE INSTRUMENTS Maschine MK2
SKY-HIライブ時でのフリースタイル・セッション用一例。
Q2. 所有しているパッド機材は?
A2. NATIVE INSTRUMENTS Maschine MK2、PRESONUS Atom、AKAI PROFESSIONAL MPC1000、MPC2000。
Q3. あなたが思うパッド機材の魅力とは?
A3. 自分のリズムでパッドをたたけばすぐに音楽になる直感的な演奏性。
Q4. 良い鳴りのサウンドを作るコツを1つ教えてください。
A4. 制作で主に使うドラム・キットは、一度ハードウェア・サンプラーで録音してからDAWに取り込んで、プラグインなどでトリートメントしたものをアーカイブしています。
【特集】パッドで生み出す極上のグルーブ
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