サンレコが注目するハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではブランド一押し、3万円以下のハイグレード・モデルYAMAHA YDM707を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
YAMAHA YDM707
■形式:ダイナミック ■指向性:スーパーカーディオイド ■周波数特性:60Hz~18kHz ■感度:-54dB(1.8mV/Pa) ■公称インピーダンス:300Ω ■外形寸法:51(φ)×184(H)mm ■重量:285g
※写真はホワイトのYDM707W
色付けのないフラットな音色。ボーカリストによって柔軟に調整できる
YAMAHA YDM707は、快適なグリップを意識したデザインで、独自のインシュレーターによりハンドリング・ノイズを低減。白(YDM707W)と黒(YDM707B)の2色をラインナップし、それぞれ交換用グリルも別売りで用意されている。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
スージー 素直な印象のマイクです。高域に特徴がある声なので、ライブのときはよくPAエンジニアの方に高域を切ってくださいとお願いすることがあるのですが、このマイクではしなくてよいかなと。ちゃんとフラットに出ているんだろうなという聴こえ方でした。1本持っていれば、場所を問わずいろいろな場面で対応してくれそうです。
cody 僕もフラットでつり合いが取れている感じがしました。だからこそ、歌の上手な方だと“こう表現したい”と思っているテクニカルな部分を、そのまま再現してくれる印象を持ちましたね。人を選ぶというわけではなく、歌い手の個性をちゃんと引き出してくれるマイクなんだと思います。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
まずYAMAHAのライブ用マイクというイメージがあまりないので、どんな音になっているかという期待感がありました。ソトオトで聴いているとフラットさがありつつも、高域が前に出る生き生きしたサウンドという印象もあったので、オーディエンスとエンジニアリング、両方のバランスがうまく取れているチューニングなのかなと。お二人の歌声も個性がよく表れていてステキでしたね。
もっと色付けされたマイクのほうが好みという方もいるかもしれませんが、音作りやEQ処理など、楽曲のテイストやボーカリストによって柔軟に調整しやすいです。PA的には扱いやすいマイクだと思います。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。