UVERworldは、圧倒的でストイックな音を届ける名バンドである。それは、ライブを目の当たりにしても、楽曲を聴いても感じられるところだ。彼らのカリスマ性やエモーショナルな歌詞、演奏力など、その魅力を多方向に分解して挙げ出すとキリがないが、サンレコは“UVERworldの最大の魅力はサウンドだ”と断言したい。今回は、クリスマスの日本武道館公演のレポート、そしてTAKUYA∞と克哉に聞く最新アルバム『30』のインタビューという2本立てでお送りする。早速、彼らの音楽の発生源をのぞいていこう。
Text:Mizuki Sikano Live Photo:安井宏充、佐藤裕介
日本武道館=正八角形建築の中で聴くソリッドなドラムとクリアなシンセ
武道館でこんなにクリアな音を聴けるとは思わなかった。この公演は、TAKUYA∞が“最近だよ、ライブが楽しくて、自分たちで空間コントロールできるようになってきたのは”とMCで堂々と言う理由が分かるステージだったと思う。セットリストは2010年以降のヒット曲を中心に、長年のファンが喜ぶ初期のレア曲を幾つか披露する構成。さらに最新アルバム『30』の収録曲を、ライブのためにリアレンジして演奏していた。長めのギター・ソロをプラスして演奏を際立たせた「THUG LIFE」を披露。当日最初のピークだったと言える「Making it Drive」では、クリアで立体的なシンセ・ベースが地を這うような振動となって、観衆の身体を揺さぶる。クリスマスの甘いイブニングに全く手加減しない感じが良い。よく聴くとソリッドな生シンバルがダンス的シンセの往来に違和感無く溶け込んでいる。ここに来て、一貫性のある硬質なドラムがEDMにも最適になじんでいる妙などが、じわじわ効いてくる場面だった。
ライブ後半、愛笑むと青山テルマが登場した「SOUL feat. 青山テルマ、愛笑む」、“キリスト様です”との紹介で俳優の山田孝之が降臨した「来鳥江 feat. 山田孝之、愛笑む」はまさにエンタメのハイパー・コンボで、会場のテンションを引き上げた。その後も「えくぼ」「OUR ALWAYS」では、穏やかで優しい声音が会場を包む。「Spreadown」は電子音のインストだったのが、ボリューミーな生演奏の濃い味に様変わりしていたのが印象深い。「Ø choir」以降は熱気の高まる曲が切れ目なく続き、TAKUYA∞のハスキーで伸びやかな歌声が響く中、ライブは絶頂ムードで幕を閉じた。
クリアで、分離良く、迫力を兼ね備えた楽器など、高揚感を最大限煽るサウンドが目白押しだった。この後のインタビューでTAKUYA∞と克哉は“ライブと音源を全く別物として分けて作る”と語ったが、むしろUVERworldほど、レコーディング音源の思想をライブに通底させているバンドは居ないようにも思えた。
UVERworld Premium Live on Xmas 2021@日本武道館 Set List
1. NEVER ENDING WORLD 2. UNKNOWN ORCHESTRA 3. stay on 4. LIFEsize 5. WANNA be BRILLIANT 6. AVALANCHE 7. AFTER LIFE 8. Revolve 9. THUG LIFE 10. Making it Drive 11. SOUL feat. 青山テルマ、愛笑む 12. 来鳥江 feat. 山田孝之、愛笑む 13. えくぼ 14. OUR ALWAYS 15. Spreadown 16. Ø choir 17. Touch off 18. 零HERE ~SE~ 19. IMPACT 20. EN 21. One stroke for freedom
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TAKUYA∞と克哉に聞く最新アルバム『30』のインタビュー
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