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アクションRPGゲーム『ELDEN RING』サウンド制作の舞台裏をレポート

アクションRPGゲーム『ELDEN RING』サウンド制作の舞台裏をレポート!

1986年創業のゲーム・ソフトウェア・メーカー、フロム・ソフトウェア。1990年代から家庭用ゲーム・ソフトの開発に着手し、これまでに『ARMORED CORE』や『DARK SOULS』シリーズ、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』などの人気作を手掛けている。彼らが『DARK SOULS』シリーズの“王道進化”として2022年に発売した『ELDEN RING』は、今年6月時点で世界累計出荷本数2,500万本を突破し、さらに6月にリリースしたDLC(ダウンロード・コンテンツ)の『SHADOW OF THE ERDTREE』は発売から3日で世界累計売上本数500万本を超えるという快挙を成し遂げた。世界で評価された『ELDEN RING』のサウンドがどのように作られたのか、サウンド・チームに話を聞いた。

OVERVIEW:『ELDEN RING』

 2022年発売のフロム・ソフトウェア初となるオープン・ワールドを採用したアクションRPGゲーム。同社の人気作『DARK SOULS』『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』と同じく、宮崎英高がディレクターを担当。世界観の構築にはドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者であるジョージ・R・R・マーティンが携わっている。同社のゲームを代表する高難易度の歯ごたえあるバトルや、奥深いダンジョン、謎めいたストーリーはそのままに、オープン・ワールドによって探索とバトルがシームレスにつながるゲーム体験を実現した。今年6月には大型DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』がリリースされ、さらなる盛り上がりを見せている。

『SHADOW OF THE ERDTREE』のキー・ビジュアル

『SHADOW OF THE ERDTREE』のキー・ビジュアル

『ELDEN RING』(フロム・ソフトウェア)
対応機種:SONY PlayStation 4 / PlayStation 5 / MICROSOFT Xbox One / Xbox Series X|S / Windows(Steam)

DLCではよりダークなトーンに

 フロム・ソフトウェアのサウンド・チームには現在8名が在籍しており、そのうち2名は効果音制作、ほかの6名は楽曲制作と効果音制作を並行して作業しているという。

 「基本的には、プロジェクトごとにサウンド制作のメイン・スタッフを決めていて、その下にそのプロジェクト専属のメンバーが何人か入り、作品制作の最初から最後までを担当することになっています。もちろん、制作が佳境に入って忙しい時期はチーム全体でサポートすることもありますね」

 そう答えるのは、『ELDEN RING』のサウンド制作の中核を担った齋藤司だ。

 「タイトルにもよりますが、例えば『ELDEN RING』ではディレクターの宮崎(英高)からいろいろと発注が来るので、メイン・スタッフはディレクターと密にやり取りを行い、サウンド・チームで練ったアイディアを出して再度フィードバックをもらって……という流れになります」

 『ELDEN RING』の開発は、『DARK SOULS Ⅲ』のDLC開発終了後にスタートしたという。『DARK SOULS』シリーズの王道進化を掲げているが、本作からの新たな挑戦もあったようだ。

 「これまでの作品と違って今作はオープンなフィールドを採用しており、我々としても挑戦的なタイトルになる予定だったので試行錯誤しました。楽曲制作も少しは行っていましたが、本格的に作曲作業が増えてきたのは2019年くらいです」

 『Demon’s Souls』『DARK SOULS』では中世スタイルのファンタジーとして世界観が描かれていた。本作も近い雰囲気を持っているが、これまでの作品との違いを音楽でどのように表現したのだろうか?

 「『ELDEN RING』は企画立ち上げ当初から“英雄譚”というテーマを掲げていました。ジョージ・R・R・マーティンさんが『ELEDEN RING』の世界の神話を描いているので、その壮大なスケール感を表現する意識が強かったです。『DARK SOULS』シリーズがしなやかな印象だとすれば、『ELDEN RING』は骨太で重厚なイメージ。それをどのように音で表現していくか、試行錯誤を重ねました。2019年のE3(編注:Electronic Entertainment Expo、過去にアメリカで行われていたゲームの見本市)で初めて『ELDEN RING』を発表して、そのときにテーマ曲「Elden Ring」を作ったのですが、そこで方向性が見えた感じがありましたね」

 DLCの『SHADOW OF THE ERDTREE』では、本編とは違う新たな舞台“影の地”でストーリーが紡がれる。それに合わせ、本編とは違ったテーマを持って楽曲を作っていったそうだ。

 「影の地は本編の舞台である“狭間の地”から隔絶された場所で、火に焼かれた粛清の地として描かれます。そのため、DLCの曲は本編よりも重くダークなトーンに仕上げました。“DLCだから”ということで何かを変えようとしたわけではなく、影の地の背景から発想していきましたね」

取材に協力いただいたフロム・ソフトウェア サウンドセクション サウンド・デザイナーの方々。左から、宮澤翔衣、齋藤司、富沢泰

取材に協力いただいたフロム・ソフトウェア サウンドセクション サウンド・デザイナーの方々。左から、宮澤翔衣、齋藤司、富沢泰

情緒の不安定さをフレーズで表現

 フロム・ソフトウェアの作品は、ゲーム内で手に入る断片的な情報からストーリーや背景を読み解いていく難解な世界観が特徴だ。複雑なバックボーンを持っているキャラクターも多いが、サウンド・チームにも詳細な情報が共有され、それを元に曲を作っていくのだろうか?

 「キャラクターを作るときの会議や、サウンド・チームへの発注時にある程度の説明は提示されます。サウンドに求められる雰囲気などはそこでつかむことができますし、あとはキャラクターやマップのデザインを見たりするなど情報を得た状態でサウンドを制作しています。開発の最初の段階からすべてのストーリーが決まっているということでもないので、ゲームの制作が進んでいくにつれてイメージも練り上がっていく感じです」

 『ELDEN RING』に登場するボス・キャラクターの戦闘曲を例に、サウンド・チームの宮澤翔衣が解説してくれた。

 「“接ぎ木のゴドリック”という、他者から得た手足を自身の体へ無数に接いでいるボスがいます。その特徴から、戦闘曲「Godrick the Grafted」では、同じフレーズやモチーフを繰り返すことをアイディアの1つとして盛り込みました。また、ゴドリックは王であるのに弱い自分のことを恥じており、同じくボスとして登場する“最初の王、ゴッドフレイ”のように強い男になりたいという憧れから“接ぎ”を行っています。こういったキャラの内面も表現するため、恥じているときは気持ちが沈んでいる状態、接いだ直後は歓喜し高揚している状態として、その情緒不安定なニュアンスが出るよう、繰り返す同じフレーズでも極端に異なるダイナミクスや奏法で演奏するなど、さまざまな工夫を散りばめました。このボスでは“王”“城”“おぞましさ”という部分を基本として押さえつつも、そのキャラクターにしかない個性を深く掘り下げられるよう、どのように音で遊べるか、ということを考えながら楽曲を制作したんです」

 同じくサウンド・チームの富沢泰が“神肌のふたり”というボスの曲作りについて続ける。

 「“神肌のふたり”は剥いだ皮膚を縫い合わせた装束を身に纏っているキャラクターです。彼らの宗教性から来る狂気や異様さとしてサビで同じフレーズを何回も繰り返しつつ、楽曲の終盤ではこれまでとは大きく和声を変え、より感極まる彼らの感情の昂(たか)ぶりを表現しました。さらに、讃美歌のような優しいパートを作ることで、彼らなりの敬虔(けいけん)な信仰心も併せ持った楽曲に仕上げています」

 DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』の曲についても聞いてみよう。齋藤は“串刺し公、メスメル”の曲についてこう話す。

 「“串刺し公、メスメル”は、DLCのキー・ビジュアルにもなっているボスです。このキャラクターは火と蛇にまつわる大きな影を背負った背景があるので、彼の悲劇や苦悩を戦闘曲「Messmer, the Impaler」で表現しています。そして彼は『ELEDEN RING』の世界で重要なキャラクターである“永遠の女王マリカ”の息子であるため、その血筋を表すためにテーマ曲の「Elden Ring」のフレーズやパーカッシブな要素をモチーフとして使いました」

フロム・ソフトウェアは2023年に本社を現在の場所へ移転。そのタイミングで社内スタジオの環境も一新したという。モニターは7.1chシステムで構築。基本的な作曲作業は個人のデスクで行うが、モニタリング・チェックや実機プレイ・テストなどはこのスタジオを使っているという。今後はDolby Atmosなど空間オーディオのミックスを見据えて、トップ・スピーカーの設置も検討しているそうだ

フロム・ソフトウェアは2023年に本社を現在の場所へ移転。そのタイミングで社内スタジオの環境も一新したという。モニターは7.1chシステムで構築。基本的な作曲作業は個人のデスクで行うが、モニタリング・チェックや実機プレイ・テストなどはこのスタジオを使っているという。今後はDolby Atmosなど空間オーディオのミックスを見据えて、トップ・スピーカーの設置も検討しているそうだ

スピーカーはGENELEC 8340A。複数のブランドを比較試聴して採用したとのことで、以前使用していたスタジオの環境からはモニターの精度が格段に上がったという

スピーカーはGENELEC 8340A。複数のブランドを比較試聴して採用したとのことで、以前使用していたスタジオの環境からはモニターの精度が格段に上がったという

サブウーファーはGENELEC 7060APM(写真左)。デスクの左右に置くことで、低域の量感や定位感が分かりやすくなっているそうだ。オーディオ・インターフェースはRME Fireface 802を採用している

サブウーファーはGENELEC 7060APM(写真左)。デスクの左右に置くことで、低域の量感や定位感が分かりやすくなっているそうだ。オーディオ・インターフェースはRME Fireface 802を採用している

プレイを想定したダイナミクス調整

 『ELDEN RING』では、プレイヤーが自由にマップを探索できるオープンなフィールドを採用したことも大きなトピックだ。プレイヤーの操作次第で状況がシームレスに変化していくのが特徴だが、フィールド上の音楽を制作するにあたってポイントとなったことはあるのだろうか? 齋藤に聞いた。

 「これだけ広いマップなので、ボスだけでなくいわゆる雑魚敵に遭遇する確率がとても高いです。通常のフィールド曲から接敵して戦闘曲になり、敵を倒してまたフィールド曲に戻るというように、音楽の切り替わりが激しくなってしまうとプレイヤーの没入感を阻害することにつながります。そのため、フィールドのBGMを基本に、接敵するとパーカッションなどの戦闘用パートをシームレスにミックスし、戦闘が終わるとそのパートだけが消えて通常のフィールド曲に戻るというような作りになっています。もちろん、強敵に出会ったときはピリッと緊張感を出す曲に切り替えるなど、プレイヤーの感情に寄り添う演出を心がけました」

 フィールド上だけでなく、強敵が第一形態から第二形態へのフェーズが移行するヒートアップ時も、曲の展開にスムーズさを感じた。富沢によると、ヒートアップ時に合わせた作曲もされているとのことだ。

 「“竜王プラキドサクス”の曲「Dragonlord Placidusax」では、第二形態に移行するときにプラキドサクスが空を飛び、再度落下してくるアニメーションのタイミングに曲のインパクト音を合わせ、以降は激しく展開していくような作りにしました」

 ファンタジーの世界観ということもあり、管弦楽が中心となっている楽曲が多い。これらは実際にレコーディングされたサウンドも含まれると齋藤は言う。

 「大ボスの曲は基本的に録音しています。本編はハンガリーにあるトム・トム・スタジオでブダペスト・フィルム・オーケストラによる演奏、DLCは東京のAVACO STUDIOで東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の演奏をレコーディングしました。コーラスは東京混声合唱団で、ビクタースタジオで録っています。ストリングスとブラスとパーカッションなどに分けて、できるだけバラで録っていましたね。一緒に録ってみたこともあるんですが、どうしても最後の段階で低域の処理が難しくなってしまったんです」

 それぞれの素材が録れた後、基本的な調整は外部エンジニアの秋田裕之が担当し、最終的なミックスはサウンド・チームで詰めていったという。音楽作品ではマスタリングによってアルバムという一つの作品に仕上げるが、ゲームにおいてはどうなのだろう?

 「管弦楽中心の曲ではやはりダイナミック・レンジを広めにしたほうがよい場合が多いのですが、そのままゲームに入れると場所によって音が大きすぎる、または小さすぎるということが起こり得ます。そのため、ゲーム・プレイを考慮したダイナミクスの調整はしていますね。サウンドトラックに収録している曲は、ゲーム内よりもダイナミクスが広くなっています」

 多くのユーザーはテレビ内蔵のスピーカーやヘッドホンでプレイしている。そういったユーザーの環境も考慮して調整するそうだ。

 「弊社のサウンド・チームは作曲はもちろん、SEの制作やゲームへの実装までやっていますし、実際にプレイしながらキャラクターの声や楽曲がどのように聴こえているのか、試しながら調整を行っています。ユーザー目線と開発者目線の両方から制作できていると思いますね」

AVACO STUDIOでのレコーディング風景。編成は12型で、低域の定位感を考慮してコントラバスを中央に配置して録ったそうだ。ソフトウェア音源を使う場合も、同じくセンターにコントラバスを配置しているとのこと

AVACO STUDIOでのレコーディング風景。編成は12型で、低域の定位感を考慮してコントラバスを中央に配置して録ったそうだ。ソフトウェア音源を使う場合も、同じくセンターにコントラバスを配置しているとのこと

世界観に合わせた“枯れ感”

 サウンド・チームの制作環境について聞いていこう。フロム・ソフトウェア社内にはサウンド・デザイナーごとにデスクがあり、基本的にはそこで作曲作業を進めつつ、実際の聴こえ方などは別室に作られたスタジオで確認している。制作機材はチームでそろえているのだろうか? 齋藤に聞いた。

 「DAWはSTEINBERG Nuendoで、音源ではEASTWEST Symphonic OrchestraやORCHESTRAL TOOLS Berlin Brass、AUDIOBRO LA Scoring Stringsなどある程度そろえていたりしますが、あとは個人の使いたいものを用意している感じです」

宮澤の個人デスク。中央にはARTURIA PolyBruteをセットし、楽器の繊細なニュアンス表現で重宝するというEXPRESSIVE E Touché、MIDIコントローラーのINTECH STUDIO EF44も用意している。そのほか、MOOG DFAMやELEKTRON Syntakt、MOOG Sirin、NORD Nord Lead 2もスタンバイ。シンセ系は『ELDEN RING』では一部の楽曲やSEでしか使用しておらず、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(2023年)で活用したそうだ

宮澤の個人デスク。中央にはARTURIA PolyBruteをセットし、楽器の繊細なニュアンス表現で重宝するというEXPRESSIVE E Touché、MIDIコントローラーのINTECH STUDIO EF44も用意している。そのほか、MOOG DFAMやELEKTRON Syntakt、MOOG Sirin、NORD Nord Lead 2もスタンバイ。シンセ系は『ELDEN RING』では一部の楽曲やSEでしか使用しておらず、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(2023年)で活用したそうだ

富沢の個人デスク。SONY MDR-CD900STでモニターすることが多いそうだが、スピーカーでの試聴用としてIK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitorをセットしている。オーディオ・インターフェースはRME ADI-2 DAC FS、MIDIキーボードはNEKTAR Impact GX61を使用しているようだ

富沢の個人デスク。SONY MDR-CD900STでモニターすることが多いそうだが、スピーカーでの試聴用としてIK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitorをセットしている。オーディオ・インターフェースはRME ADI-2 DAC FS、MIDIキーボードはNEKTAR Impact GX61を使用しているようだ

 『ELDEN RING』の楽曲制作で活躍した音源について3人はこう続ける。

 「よく使ったのはLA Scoring Stringsですね。オーケストラ音源はリッチなリバーブ感を推しているものも多いですが、LA Scoring Stringsは結構ドライめな音になっています。例えば屋内で出てくるボスであれば、Nuendo内蔵のコンボリューション・リバーブのReverenceなどを使ってその空間の響きを曲でも表現したりしますが、反響のない屋外であればLA Scoring Stringsのドライなサウンドが役に立ちました」(齋藤)

 「フィールドの曲を書くときにソロの弦楽器を使いたいことがよくあるのですが、音源だとビブラートが深く奇麗にかかりすぎていて“麗しい”という印象になってしまうものが多いです。『ELDEN RING』では、世界観に合わせた“枯れ感”の表現が必要だったので、ビブラートを繊細にコントロールできるE-INSTRUMENTS Cremona Quartetが活躍しました」(宮澤)

 「ボス戦では大編成のリッチな弦楽音源が映えるので、そのときはSPITFIRE AUDIO Symphonic Stringsをよく使いました。生のオケと混ぜて足りないと感じる部分を補ったり、高域の枯れ感を強調したりします。その場合はEQを使って中域のふくよかな成分は削って、高域や低域は持ち上げています」(富沢)

 生のオケと音源では混ざりの良さを作るのが難しそうだが、何か工夫したことはあるのだろうか? 齋藤に聞いた。

 「『ELDEN RING』で音源を打ち込むときは、低域がセンターに来るようにコントラバスを中央に配置することが多いです。それを見越して、混ぜたときに違和感が出ないように録音時もコントラバスは中央に配置しました」

暗さ/怖さ/深さにつながる低域

 『ELDEN RING』では、フィールド曲とボス曲を含めると膨大な曲数が登場する。全体的に低域を補強してドラマチックな演出がされているように感じたが、サウンド・チームとしてもその“低域感”にはこだわりがあったようだ。齋藤がこう答える。

 「もう気づいたら低域にこだわっていたというか(笑)。やはりダーク・ファンタジーという世界観の中でオケ音源をそのまま鳴らしても、どうしても物足りないんです。暗さや怖さ、深さというような要素が必要になるので、EQで低域を加えたり、音を重ねたりしました。サウンド・チームのメンバーそれぞれが方法論を持っていますし、みんなで“もっとこうできる”と案を出していったり……我々のメソッド的なものもできているので、低域に対するこだわりは強かったと思います。ボスによってはシンセ的なサブベースが合う場合もありますが、中世の騎士のような見た目だとなかなかシンセ系は合いづらいですね。弊社の別作品『Bloodborne』(2015年)で出てくる上位者と呼ばれるような特異な存在、宇宙に関わりがあるボスなどではフィットしてくれます」

 近年、音楽シーンではDolby Atmosや360 Reality Audioなどの空間オーディオが浸透してきた。ゲームにおいても、SONY PlayStation 5がTempest 3Dオーディオ機能を搭載するなど、今後のゲーム作品で空間オーディオ表現が増えていくことが予想される。最後に、ゲームにおける空間オーディオについての考えを齋藤に聞いた。

 「まだ弊社では本格的に空間オーディオを組み込んでいませんが、テストなどは徐々に進めています。今後環境を整えつつ対応していければ表現の幅も広がると思っています」

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