UNIVERSAL AUDIO Apolloシリーズは、多彩なラインナップを取りそろえるオーディオI/O。数々の名機をエミュレートしたUADプラグインの提供とUNISON機能、システムの拡張性もあり、全世界のクリエイターやエンジニアに愛用されている。実際にApolloを活用するユーザーたちは、数多の製品の中からなぜApolloを選ぶのか。今回はソロ活動からプロデュースまで幅広く活躍するJUVENILEが登場。プライベート・スタジオで、レコーディングにおけるApollo活用法を尋ねた。
Photo : Hiroki Obara
Apollo x6
Apollo x6(写真下段)は、16イン/22アウトのラック型オーディオI/O。UNISON対応マイクプリ×2基、SHARCチップ×6基を搭載する。JUVENILEは、10種類のプレミアムUADプラグインを含むHeritage Editionを所有。2系統のマイク入力のほかに、シンセなどをライン入力している。
EMT 140 Classic Plate Reverberator
JUVENILE スタジオで聴く機会が少ないので実機との比較は難しいですが、めちゃくちゃ使える音です。ほかのリバーブと比べると密度が濃いですね。全チャンネルに少しずつ送ってなじませるような使い方で、ほぼ全曲に使っています。DAWの新規プロジェクト作成時に立ち上がるテンプレートのプラグインが幾つかあるのですが、これもその一つです。
UADプラグインが多数付属するHeritage Edition
元はWindowsユーザーだったJUVENILEが最初に手にしたのは、Windows対応のApollo Twin USBだった。
「Apollo Twin USBが発売されてすぐに買いました。その入出力をフルで使って、このプライベート・スタジオのボーカル・ブースで使えるキュー・ボックスとなる回路を作ったんです。でも、もう1本ラインを入れるにはケーブルの抜き差しが必要なので面倒で。Macに変えたタイミングで、机の設置事情も考えてラック型のApollo x6を選びました。DSPも、Apollo Twin USBのDuoコアでやりくりしていた自分からしたらApollo x6のHexaコアは今までの3倍なので、すごく快適です。音質も全然違いますね。Heritage EditionなのでUADプラグインもたくさん付属していました」
自身の楽曲だけでなく、数々の楽曲プロデュースを手掛けるJUVENILEが重宝しているのが、対応のUADプラグインをよりリアルな挙動でかけ録りできるUNISON機能だ。
「UNISON機能はほぼ毎日使います。歌やベースのライン録りによく使うのがNeve 1073 Preamp & EQ Collection。ざらっとするような感じで、結構実機に近いですね。ギターは、ジャズやパンクのクリーン系ではFender ’55 Tweed Deluxe、ロック系でひずませたいときはMarshall Plexi Super Lead 1959、メタルやハード系にはDiezel VH4 Amplifierを使います。欲しい音がここにちゃんとあるので、僕はこの3パターンでいいんですよね。モニターだけにこれらをインサートして後からアンプ・シミュレーターを選ぶこともありますが、固められることは固めた方が良いので、ほぼかけ録りです。その日の演奏の熱量を維持するためにも、挿した瞬間に格好良い音で録れることは大事ですね」
加えて、ApolloがDSPを搭載していることによるメリットは、UADプラグインの使用時以外にも発揮されると語る。
「例えば、ラッパーにはANTARES Auto-Tuneをかけたままラップする人も多くて。それをレコーディングしたいときに、ネイティブ環境だとレイテンシーを詰めないといけないんですけど、DSPを搭載しているApolloならAuto-Tuneなどもレイテンシー無くかけ録りできるんですよね」
見やすく使いやすいConsoleアプリケーション
さらに、Apolloの機能面についてこう続ける。
「Consoleアプリはすごく見やすいし使いやすいですね。一般的なミキサーの構造を知っていれば、見て触るだけで分かると思います。あとはファンタム電源やPAD、ローカットが本体のボタンで操作できることや、ファンタム電源のオン/オフがライトの点灯でパッと分かるのも良いです。Apollo Twin USBは今は自宅で使っているのですが、ミュートやボリュームのコントロールも分かりやすくて良いですよね」
最後に、Apolloユーザーとして、今後どのような人に向けてApolloの導入を勧めたいか尋ねてみた。
「Apolloは、レコーディング・スタジオでエンジニアが使う機材を見て、自分も同じように家でいじりたいと思った人などにお薦めです。僕はスタジオの環境を再現したくてApolloを使い始めて、今ではもっと先が知りたくなってアウトボードも導入しているのですが、アウトボードをそろえる前段階でApolloで試せるというのは大きいですね」
JUVENILE
【Profile】独自のCity Musicを発信し続けるDJ/アーティスト/音楽プロデューサー。RADIO FISH「PERFECT HUMAN」の作編曲や舞台『ヒプノシスマイク』の楽曲をはじめ、多方面で活躍。12月22日には、自身2枚目となるセッション・アルバム『INTERWEAVE 02』をリリース予定。
Recent work
『GIMME THAT feat.向井太一』
JUVENILE
(HPI Records)