佐藤純一(fhána)× UNIVERSAL AUDIO Apollo Twin【Apolloユーザー通信 Vol.4】

佐藤純一(fhána)× UNIVERSAL AUDIO Apollo Twin【Apolloユーザー通信 Vol.4】

UNIVERSAL AUDIO Apolloシリーズは、多彩なラインナップを取りそろえるオーディオI/O。数々の名機をエミュレートしたUADプラグインの提供とUNISON機能、システムの拡張性もあり、全世界のクリエイターやエンジニアに愛用されている。実際にApolloを活用するユーザーたちは、数多の製品の中からなぜApolloを選ぶのか。今回は、fhánaのリーダーであり、作編曲からミックス/マスタリングまで手掛ける佐藤純一が登場。“一石二鳥だった”というApolloとの出会いとは?

Photo : Hiroki Obara

Apollo Twin & UAD-2 Satellite Thunderbolt

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Apollo Twin

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UAD-2 Satellite Thunderbolt

 Apollo Twinは、デスクトップ・タイプのオーディオI/O。佐藤は、Thunderbolt接続でデュアルDSPを搭載する初代モデルのDuoバージョンを使用している。UAD-2 Satellite Thunderboltは、UADプラグイン用のDSPアクセラレーターで、こちらはDSPを8基搭載したOctoバージョンを使用している。

Chandler Limited Curve Bender Mastering EQ

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佐藤 fhána『愛のシュプリーム!』や、他作品のマスタリングの依頼でもめちゃめちゃ使いました。単純にEQがかかるだけではなくて、空間に奥行きが生まれます。変に音が汚れることもなく、透明感や解像度は保ったままアナログ的な太さとふわっとした空気感が足される感じが好みです。高域や50〜70Hzくらいの低域を軽く上げて通すだけでもいいですね。

リリースできるクオリティで録れるUNISON機能

 佐藤がApollo Twinを導入したのは2年ほど前だった。

 「もともとUADプラグインが良いと同業者の人たちに聞いていて、制作で使うためにUAD-2 Satellite Thunderboltを導入しました。以前はあるハードウェアのお気に入りのマイクプリを家でもスタジオでも使っていたんですけど、毎回家からスタジオに持ち込むのが大変なので、それをレーベルの自社スタジオに置いておくことにしたんです。そうなると家にマイクプリが無くなってしまい。家では仮歌などちょっとした録音しかしないので、最初は5万円くらいの安価なハードウェアのマイクプリを探したんですけど、サンレコを読んだりして、Apollo Twinならマイクプリにもなるし、UAD用のDSPも増やせるので一石二鳥だと思って買いました

 

 元からUADプラグインは駆使していたが、UNISON機能がApollo導入のきっかけになったという。

 「歌には、UNISON機能でNeve 1073 Preamp & EQ CollectionとUA 1176 Classic Limiter CollectionのUA 1176LN SE Legacyをかけ録りしています。なぜかと言うと、スタジオでこれらの実機を使うことが多いんです。立ち上げて通すだけで確かにNEVEの音で、少し高域を上げるだけで独特でシルキーな質感が出ます。そのままリリースできるクオリティで録れますね。実際、コロナ禍にリモートで作ったfhánaの「Pathos」では、towanaさんのボーカルをApollo Twinでレコーディングし、そのまま本チャンになってリリースされました。ほかには、SSL 4000 G Bus Compressor Collectionをマスターに薄くかけると、全体の混ざり具合が良くなりますね。制作ではまとまり感やキャラクター付けをするときにUADプラグインを使うことが多いですが、fhánaや最近手掛けた他作品のマスタリングでは、基本の処理として初段でChandler Limited Curve Bender Mastering EQを使って雰囲気を作りました」

音が良く場所も取らず接続もシンプル

 Apollo Twinのサウンドはどのように感じているのか?

 「力強いですよね。僕はApollo Twinを録音に特化して使っていますが、ヘッドフォン端子で聴いてもそういう印象を持ちますし、周りでラック・タイプのApolloを使っている人たちも、パワフルで聴いていて楽しい音だと言いますね」

 

 最後に、Apolloの機能面における魅力や導入のメリットについて尋ねると、佐藤はこう答えた。

 「コンピューターをいじらずにインプット・レベルやモニタリング・レベルのコントロールもできますし、インプットの切り替えやステレオ・チャンネルのリンクなど、全部手元で操作できるのは良いですよね。あと、ギタリスト/ベーシストにとっては、ギターをHi-Z入力に挿すだけで良い音で録れるので楽だと思います。特に、プロであるが故にいつもスタジオでレコーディングしてきたミュージシャンで、宅録用の機材は何を買えばよいか悩んでいるという人にもApollo Twinはお薦めですね。音が良いし、場所も取らないし、マイクプリもコンプもこれ1台で済むからいっぱいケーブルをつなげなくていいし。僕自身、DSP不足はちょくちょく感じるので、DSPアクセラレーターを買い足すか、新しいApolloを買った方が良いかなとも少し思っています」

 

佐藤純一
【Profile】4人組グループfhánaで、キーボードとコーラスを務める。グループの中心人物/コンポーザーとして唯一無二の美しい楽曲を生み出し、ミックスやマスタリングも手掛けるなどエンジニアとしての側面も持ち合わせる。個人としても楽曲提供や作編曲を行っている。

 Recent work 

『愛のシュプリーム!』
fhána
(ランティス)

『私たちはもう舞台の上』
スタァライト九九組
(ポニーキャニオン)

製品情報

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