独特の歌詞世界と、さまざまなジャンルをクロスオーバーする音楽性で人気の3人組テクノ・ポップ・バンド、アーバンギャルド。今回、バンドのキーボーディストであり作編曲家でもあるおおくぼけい(写真左)に、Discrete 4 Pro Synergy Coreを試していただいた。同じくメンバーの浜崎容子(写真右)にも協力いただき、ボーカル・レコーディングを敢行。実際に使用する中で感じた魅力を伺った。
Photo:Takashi Yashima
【動画】おおくぼけい × 浜崎容子がDiscrete 4 Pro Synergy Coreでレコーディング
ステージでも有用なルーティングの仕様
ANTELOPE AUDIOの製品に触れるのは今回が初めてだったというおおくぼ。Discrete 4 Pro Synergy Coreを使ってみた印象はどのようなものだったのだろうか。
「まず音を出してみた時点で、現在使用しているオーディオ・インターフェースよりも音の解像度が高いと感じましたね。一つ一つの音が“ピシッピシッ”と分離して聴こえてくる印象です。製品によってこんなにも変わるものなのか、ということをあらためて実感しました。これまでもインターフェースを買い替えたときに感じてはいたんですが、そのときよりさらに良くなっているなと。やっぱり技術的にも進化してきているんだと思います」
ライブ活動において、マニピュレーターとしての役割も担うおおくぼだからこそのポイントもあった。
「スタジオやライブの現場に持ち込む機会も多いので、頑丈であることも重要です。あとは、ステージ上で電源ケーブルがすぐに抜けてしまうといったトラブルが結構あるんですけど、Discrete 4 Pro Synergy Coreは接続部分をひねってロックできる仕様なので、すごく安心感がありました」
ルーティングの柔軟さや、高い安定性のクロックなどもライブに適していそうだと語る。
「同期のトラックとかを出すときに、あらかじめルーティングを組んで出力するチャンネルを自在にカスタマイズできるのがすごく便利だなと思いました。シンプルなデザインの見た目も格好良く、ぜひライブにも使ってみたいです」
ビンテージ的な温かみを感じたAuraverb
今回のレコーディングに際し、おおくぼはオリジナル楽曲を制作。あらかじめ録音したエレピを再生し、浜崎のボーカルをダビングしていく形で行った。Discrete 4 Pro Synergy Coreの音質面も想像以上だったようだ。
「浜崎さんの歌をプレイバックしたときに、“あれ、今歌っているのかな?”みたいに感じた瞬間があって。録り音と再生した音がほぼ同じ印象で驚きました。プリアンプやエフェクトのクオリティが高いので、Discrete 4 Pro Synergy Core1台でしっかりした録音ができるのもうれしいですね」
レコーディングの際、リアルタイムでさまざまなエフェクト処理を行っていたが、特に印象の良かったエフェクトは何だったのだろうか。
「リバーブのAuraverbが良かったです。ビンテージ感があるというか、温かい感じがしましたね」
最後にDiscrete 4 Pro Synergy Coreをどういった方にお薦めしたいか伺った。
「自宅で据え置きにするのもいいですが、4系統のヘッドフォン出力を使ったセッション的な録音も可能なので、アクティブに持ち出してみてもいいのでは。初心者にとっては最初から高機能なものが使えるという利点があるし、自由度が高く応用も効くので、上級者からプロ向けでもあります。マニュアルを読むたびに新たな発見がありそうで、長く使い続けられるオーディオ・インターフェースだと思います」
おおくぼけい
アーバンギャルドのキーボード担当。自身がリミックスを手掛けたアーバンギャルド「水玉病15 years anniversary "TOKYOPOP2.022" REMIX」のMVが、YouTubeにて公開中
浜崎容子
アーバンギャルドのボーカル担当。作編曲もこなし、ソロとしてはシャンソンからエレクトロまで幅広いフィールドで活動するほか、コラム、モデル、ナレーション業も務めている
前編では、Discrete 4 Pro Synergy Coreの仕様を詳しく解説。バンドルのSynergy Coreエフェクトの一部も紹介しています。