ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回のヘビー・ユーザーは、さまざまなアーティストのライブ・オペレートやレコーディングに携わっているタニザワ“モーキー”モトキ氏だ。タニザワ氏がPAエンジニアを務めるライブ・ハウス、晴れたら空に豆まいてで話を聞いた。
Photo:Chika Suzuki
フォーカスが合って音の飛び方が変化
タニザワ氏が初めてACOUSTIC REVIVEの製品に触れたのは、ピーター・バラカンのイベントだったそうだ。
「以前、“山羊に、聞く?”というイベント・スペースで行われたピーター・バラカンさんのイベントで、ACOUSTIC REVIVE代表の石黒謙、さんと初めてお会いしました。そのときに会場にあるミキサーの電源や壁のコンセントなどを入れ替えてもらったのですが、変化が目に見えて分かり衝撃を受けましたね。低域が締まって速くなった印象でした」
低域の響き方は、晴れたら空に豆まいてで課題に感じていた部分だったと言う。
「いろいろと試行錯誤して良い状態ではあったのですが、天井が低く奥行きがあるので音をかなり飛ばさないといけない空間でした。そうなると高域はいいんですが低域が難しくなってくる。ぼやけて点が見えない感じですね。そこで石黒さんに相談し、実際に石黒さんのご自宅のオーディオ・ルームで製品を試させてもらいました」
石黒氏の下でACOUSTIC REVIVEの性能をあらためて体感したタニザワ氏は、晴れたら空に豆まいての環境にも全面的にACOUSTIC REVIVEを導入した。
「ステージとミキサー間の長いアナログ・マルチケーブルや電源周りもACOUSTIC REVIVEにしました。また、メイン・スピーカーやウェッジ用に特注でインシュレーターも作っていただき、それを敷いています。それによって音のフォーカスがバシッと整い、音の飛び方も全然変わりました。スピーカーのパワーが取られてしまっているような感覚が無くなって、音が前にドンと出てくる感じです」
低域が引き締まることで音の土台ができる
ケーブル類だけでなく、ACOUSTIC REVIVEの拡散材や超低周波発生装置も導入。「どこか一部だけACOUSTIC REVIVEにするよりも、全体的に製品を導入することをお勧めしますね。音のフォーカス具合が大きく変わります」とタニザワ氏は話す。
「拡散材は天井と壁に設置しています。天井が高くなったような効果が感じられますね。超低周波発生装置は石黒さんのオーディオ・ルームでかなり長い時間試聴させてもらいました。これも低域が引き締まるような効果で、音の土台が仕上がる印象です。僕はさまざまな場所でPAやレコーディングをするんですが、そのときにも超低周波発生装置を持っていきます。レコーディング現場であれば、コントロール・ルームとブースに1台ずつ置いていますね」
ACOUSTIC REVIVEのケーブルは、迷走電流の発生の無い極太の単線を採用したPC-TripleCを線材に使用しているのが特徴となっている。しかし、その分ケーブルが太く固くなってしまうのも事実。セッティングが都度変わるライブ・ステージでの取り回しに悩むところだが、そこでお薦めなのがACOUSTIC REVIVEが開発した新ラインのSSシリーズだ。ステージでの使用を考えて作られた電源ケーブルPower Stageは、PC-TripleCを採用しつつもケーブルのしなやかさとスリムさを実現。また、コネクターにはロック機構を備えている。
「ケーブルのしなやかさや抜けにくさはライブ・ハウスでは重要になってきます。Power StageはPA現場で重宝しそうですね。これから試してみたいと思います」
音楽だけでなく、トーク・ショウや演劇など、さまざまなイベントが行われ、多くの人々に親しまれてきた晴れたら空に豆まいて。ACOUSTIC REVIVEは、その空間の音響をこれからも支えていくだろう。
「音が良いライブ・ハウスとして認知されてきましたが、ACOUSTIC REVIVEによってさらにそれがブーストされたような感じになりました。これからも音のアップグレードは続けていきます」
タニザワ“モーキー”モトキ
<BIO>1995年にアメリカのニューヨークでPAエンジニアとしてキャリアをスタート。9年間にわたって数々の会場でオペレートを行う。2004年より、ライブ・ハウスの月見ル君想フ、晴れたら空に豆まいてで活動を開始。現在は国内外のさまざまなアーティストのライブ・オペレートやスタジオ録音も手掛けている。