変態紳士クラブなど、さまざまなアーティストを手掛ける音楽プロデューサーGeGによるスペシャル・セミナー。ここでは、これまであまり公の場で明かされなかった初期のキャリアから、音楽制作のツールやスタジオ、そしてヒット・ソングについて思うことなどを話していただいた。
売れるコード進行は存在しますが、そこに奇跡のようなメロディや歌詞が必要です
“GeG”と名乗るまでの話では、音楽の道を志したきっかけやバンド時代に味わった苦労話などを語ってくれた。
「20代後半までさまざまなバンドをやってきましたが、メンバーが固定なために自分のやりたい音楽ができずに悩んでいたんです」
そんな中、GeGはLAとジャマイカに渡りコライト文化に触れ、ほかのミュージシャンと協力しながら自身の音楽を追求する道を見いだしたという。
「帰国後は音楽プロデューサーに転向しました。変態紳士クラブを結成したのもその辺りでしたね」
中盤では、GeGの使用機材や制作プロセスがトピックに。Image-Line Software FL StudioとAvid Pro Toolsの使い分け方やスピーカーのこだわり、自身のキーボード・コレクションについて、自らのスタジオの写真を見ながら解説した。
「大阪にある4階建てのビルを大改装し、2つのスタジオを設けました。1つはボーカル録りとミキシングに特化した部屋、もう1つはキーボードをたくさん並べ、バンド・セッションも行える制作部屋です。モニターもいろいろありますが、APPLE MacBook Proのスピーカーで曲を作ることもあります」
その後、GeGは自身の体験を元にしたヒット曲誕生秘話を語ってくれた。
「確かに“売れるコード進行”は存在しますが、ヒットを生むためには、そこに奇跡のようなメロディ、歌詞、アレンジが組み合わさることが重要だと思います。しかし、自分が売れると思っていた曲が必ずヒットするわけではありません。変態紳士クラブの代表曲「すきにやる」 「YOKAZE」は、当初リード曲ではなかったにもかかわらず、後から注目されたんです」
質疑応答では質問が相次ぎ、若手音楽家を鼓舞するひとときとなった。
【Profile】音楽プロデューサー/トラック・メイカー。自身がプロデュースした楽曲の総ストリーミング数は10億回を超える。2024年1月3日には約4年半振りとなる『Mellow Mellow ~GeG's playlist vol.2~』を発売。